étape 13 Albi - Albi【54 km 個人TT】
コース図 コース断面図
ただでさえ差がつきやすいタイムトライアルにもかかわらず、
起伏の激しさもあるので、さらにタイム差がつきそうなコース設定。
総合上位勢の争いと、スペシャリストによるタイムアタックに注目です。
実況はSaschaさん、解説は市川雅敏さん、永井孝樹さん。
放送開始時点では、ウイギンスの1h 08m 48sが暫定トップタイム。
天候はなんと雨、もしこれから雨が強くなるような事があると
最後に出てくる上位勢は大きな影響が出そうです。
プロローグで優勝したTTスペシャリストのカンチェッラーラは、
スリップ、落車を繰り返した為、
第1計測地点で2位だったにもかかわらず、最終順位は3桁順位に。
タイヤの空気を入れすぎた為に摩擦が小さくなって、
この様な事態を引き起こしてしまったようです。
雨の影響を最も受けてしまった選手と言えるでしょう。
雨の影響でスリップする選手が多く、
ウイギンスの暫定トップタイムはなかなか抜かれません。
しかしスタート・ゴール地点のアルビの町では
雨足は弱まり少しずつ明るくなってきました。
このまま天気が良くなれば、総合上位勢の争いが
アクシデントで邪魔される可能性も減ると思うのですが……。
総合24位のダビ・アローヨがスタート後、
ここからは3分間隔でのスタートに(ここまでは2分)。
この後スタートする選手は総合でのタイム差は10分以内の選手達。
現実的には厳しそうですが、この辺りの選手からが
『逆転の可能性有り』という選手と言えるかも。
市川雅敏さんによるスプリンターの筋肉量についての話が挟まれましたが、
要約すると「最近のスプリンターは足が細い」という事で、
他のスポーツとの比較をされていました。
これってアメフト中継で河口正史さんが言っている事と被りますね。
以前は「筋肉をたくさんつければ良いだろう」と思われていたのですが、
最近は可動域を考えて筋肉を付けた方が良い結果に繋がる事も有るようです。
スプリンターの足が細くなり軽量化が進むと、
また違ったゴールスプリントの形が見えてくるのかもしれません。
ウイギンスのタイムに迫る選手はいたものの、
上回るタイムが出せていなかったのですが……
総合19位のヴィノクロフが第1計測地点で
ウイギンスを10秒上回る23m 09sをマーク。
序盤の落車が影響して沈んでいるヴィノクロフですが、
左ひざのネットも取れ、少しずつ回復しているようです。
山岳賞ジャージを着たシャヴァネルが1h 09m 12s、
途中のロータリーで落車をしたグセフも1h 09m 30sと
路面の状態が良くなってきたのか好タイムが出るようになってきました。
タイム差4分以内につける総合上位勢も続々とスタート。
8位ライプハイマー(3m 53s遅れ)、7位クレーデン(3m 50s遅れ)
、2位バルベルデ(2m 35s遅れ)、この3人はTTでも期待出来る選手。
6位サストレ(3m 39s遅れ)、4位エヴァンス(2m 41s遅れ)、
3位マヨ(2m 39s遅れ)は、どれだけタイムロスを抑えられるか。
そして5位コンタドール(3m 08s遅れ)、1位ラスムッセンは
実力が未知数なのでどれだけのタイムが出せるのか。
ヴィノクロフは、カンチェッラーラが転んだ下り坂を
速度を落としてかなり慎重に下っていったのですが、
第2計測地点ではウイギンスを52秒上回る44m 00sで通過。
ヴィノクロフ復活の狼煙がついに上がったのかも。
あとは転倒せずにゴールまで走りきってほしい。
第3計測地点を通過したポポヴィッチには転倒の跡が。
やはり多くの選手が滑る路面に苦しめられている模様です。
それでも暫定3位の51m 52sで通過したのは凄いですが……
しかしその第3計測地点に直後にやってきたヴィノクロフは
ウイギンスを1分19秒上回る50m 07sで通過、早すぎだ。
ポポヴィッチは後半にタイムを伸ばし、
ウィギンスから2秒遅れの1h 08m 50sの好タイムでゴール……
しかし余韻に浸る間もなくヴィノクロフがやってきました。
ゴールタイムは1h 06m 34s、ウイギンスのタイムを2分14秒上回る
圧倒的なタイムを叩きだしました。
後ろを走る選手とはタイム差が大きいので、
ヴィノクロフのステージ優勝の可能性が高くなってきました。
そしてゴール後のインタビューを市川さんが訳して下さったのですが
「まだツールは終わっていないよ」という言葉に涙が出そうに。
ここから逆転優勝したらドラマのような展開だよなぁ。
でもファンなので、期待しちゃいます。
ヴィノクロフに続きたいアスタナの上位勢、
しかしカシェキン、クレーデンがともに落車。
それでも大きな怪我には至らず、すぐにレースに戻ります。
総合上位勢ではコンタドール、クレーデン、エヴァンスが
それぞれの中間計測地点で好タイムをマーク。
逆にマヨは辛抱しきれずに大幅にタイムロス。
期待されていたバルベルデは、
第1計測の時点でヴィノクロフから2分18秒遅れと大ブレーキ。
逆にラスムッセンは第1計測では1分42秒遅れと、
意外に上手くまとめてきました。
路面が乾き始めているのもラスムッセンにとっては追い風か。
ゴール地点では、後半にペースを上げてきたカシェキンが
1h 08m 18sでゴール、暫定2位に入ってきました。
総合上位勢の調子は、第1計測地点でほぼ判明し
そのままゴールまで大きなトラブルも無く進んでいきました。
以下は上位8名のゴールタイムです。
カッコ内はétape 12時点でのタイム差です。
8位ライプハイマー(3m 53s遅れ)のタイムは1h 09m 13s。
そこそこ良いタイムで走り、順位を5位まで上げました。
7位クレーデン(3m 50s遅れ)のタイムは1h 08m 13s。
ステージ3位に入り4位にジャンプアップ。
落車したもののリカバリが上手かったです。
6位サストレ(3m 39s遅れ)のタイムは1h 10m 35s。
クライマーとしては上手くまとめたものの、
順位は1つ落としてしまい、タイム差も広げられてしまいました。
5位コンタドール(3m 08s遅れ)のタイムは1h 08m 52s。
ステージ7位は立派な成績、総合成績も3位まで上がってきました。
登りでも強い所を見せているので、総合優勝の可能性も……。
4位エヴァンス(2m 41s遅れ)のタイムは1h 07m 48s。
アスタナ1・2・3体制に割って入ったエヴァンスがステージ2位。
これで総合でも1分ちょうど遅れの2位に浮上。
こちらも総合に向けて良いTTとなりました。
3位マヨ(2m 39s遅れ)のタイムは1h 12m 38s。
ヴィノから6分04秒、ラスムッセンからも3分09秒遅れ
5分48秒遅れの総合12位まで転落、これで総合は厳しくなったか。
2位バルベルデ(2m 35s遅れ)のタイムは1h 12m 42s。
マヨよりも3秒遅れてしまうというらしくない走り。
こちらも11位まで下降、まさかの大ブレーキでした。
1位ラスムッセンのタイムは1h 09m 29s。
マイヨ・ジョーヌマジックが発動したのか、
まずまずのタイムでまとめてきました。
自力でマイヨ・ジョーヌを確保したラスムッセン、
ピレネーで再びタイム差が広げられれば、総合優勝も見えてきそうです。
ステージ優勝はヴィノクロフ、2位に1分14秒差を付ける圧勝でした。
3位クレーデン・4位カシェキンとアスタナ大爆発な1日でした。
個人TTだったので各賞ジャージは変わらず、
総合&山岳賞はラスムッセン、
ポイント賞はボーネン、新人賞はコンタドール。
チーム総合では、1・3・4位フィニッシュを決めたアスタナが
トップに返り咲く事となりました。
・étape 13 個人成績
1位 1h 06m 34s アレクサンドロ・ヴィノクロフ(AST)
2位 + 1m 14s カデル・エヴァンス(PRL)
3位 + 1m 39s アンドレアス・クレーデン(AST)
・étape 13 終了時総合成績
1位 58h 46m 39s ミカエル・ラスムッセン(LAB)
2位 + 1m 00s カデル・エヴァンス(PRL)
3位 + 2m 31s アルベルト・コンタドール(DSC)
全選手個人成績 & ステージ成績 etc.(from J Sportsサイト)
今ツール最後の勝負所、ピレネー山脈3日間へ突入。
スタート直後に2級、なだらかな登りを経た後、
超級越えに超級山頂ゴールという厳しいコースレイアウト。
総合上位勢の真価が問われるステージとなりそうです。
étape 14 Mazamet - Plateau-de-Beille【197 km】
コース図 コース断面図