étape 7 Nice - Nice 【119km】
コースレイアウト
http://www.letour.fr/2008/PNC/COURSE/fr/700/etape_par_etape.html
距離は短いものの、1級山岳×3と激しいアップダウンがあるので、
3秒差しかない1位・2位に逆転劇が起こる可能性がありそう。
各賞ジャージはほぼ決まっている状態なので、
総合 & 新人賞争いに注目です。
実況は白戸太朗さん、解説は栗村修さん。
放送開始時点では、先頭の逃げ2人が60km地点付近を走行中、
最初の1級山岳Col de la Porteの頂上間近という所です。
逃げている2人はポリオルとポッソーニ、
大集団とは1分15秒の差をつけていましたが、
2人と大集団の間にも逃げ集団からこぼれた選手
大集団から追走に出た選手がたくさんいるという
混沌としたレース展開になっていました。
Col de la Porteの下り坂でノチェンティーニが落車。
それにヘーシンクが巻き込まれてしまいました。
総合2位と4位が落車となりましたが大きな怪我も無くレースに復帰。
マイヨ・ジョーヌのレベッリンが
集団のスピードを落とすように指示したので
2人は集団に戻る事が出来ました。
アクシデントでの遅れには紳士的な対応をする
自転車ロードレースならではの光景が見られ、
落車で勝敗が決するような事が無くて良かったです。
しかし昨日のヘーシンクの下りでのペースダウンは
目の前でシュレクが落車した為に恐怖感が植えつけられた模様。
アクシデントによって間接的に精神的ダメージを受け
それが差となってしまう……
テクニカルな下り坂だったので恐怖感を覚えるのも理解できますが、
一流選手によるの戦いの厳しさが感じられるエピソードでした。
ベニテスが合流した逃げ集団でしたが、
下りの途中で追走を待ち、逃げ集団は20人に膨らみました。
落車の影響もあってか大集団のペースは上がっておらず、
さらに引く意識を持つチームが無い為、
タイム差は1分半ほどと山頂通過時より少し広がっていました。
しかし逃げ集団も20人と大所帯の為、ローテーションが上手く回らず、
逃げたい選手と抑えの選手の思惑が交錯する
心理戦・頭脳戦の要素が強くなってきました。
逃げ集団から何人か抜け、15人となり2つ目の1級山岳La Turbieに突入。
ロテレリーが先頭に立ってペースを上げると、
そのまま一気にアタックを駆けて引き離しにかかりました。
他の選手はついていかず、ロテレリーが単騎逃げの形に。
ロテレリーは山岳賞を確定させているにもかかわらず
このアグレッシブな動き……こういう熱い選手、良いなぁ。
大集団からはトザットがアタックして抜け出しましたが……
スプリンターの選手が山で抜け出すというのもまた熱い展開。
逃げ集団もクネゴを中心にペースを上げ始めた為、
何人か削られていきました。
1級山岳La Turbieの山頂をロテレリーが1人で通過。
追走9人は36秒遅れ、さらに大集団が約2分遅れで通過しました。
タイム差が小さいので、ロテレリーの逃げ切りは厳しい状況。
一気に坂を駆け下りた後、すぐさま最後の1級山岳Col d'Ezeに突入。
追走集団ではアタックが繰り返されペースアップ。
さらには大集団でも総合6位のサンチェスがアタック。
最後の勝負所らしい激しい仕掛けが繰り広げられましたが、
マイヨ・ジョーヌのレベッリンとそのチームメイトは落ち着いて対処。
ポポヴィッチのアタックにはレベッリン自らが対応、
優勝を自らの手で確定させるべく、
ポポヴィッチのアタックを自ら潰しました。
1級山岳Col d'Ezeもロテレリーがトップ通過。
ゴールまで後は下るのみ。
ロテレリーは攻めの走りで山岳賞に花を添えました。
最後の下りでベニトがロテレリーに追いつき2人で逃げる体勢。
しかし下り区間で追走の10人に追いつかれてしまいました。
後方から大集団も迫ってきましたが、
逃げ集団にいたサンチェスが下りのカーブでアタック。
自転車をギリギリまで傾けたコーナリングで、
他の選手を置き去りにしました。
白戸さん、栗村さんが感心した攻めのコーナリングからは
心臓の強さを感じさせました。
サンチェスを追う集団は牽制が生じたのかタイム差を詰められず。
結局、サンチェスがゴール地点まで逃げ切りました。
レベッリンは、他の上位選手と同一集団でゴールし
昨年最終日に逆転を喰らった悔しさを晴らしました。
ポイント賞はハスホフト、山岳賞はロテレリー、
新人賞はヘーシンクと、3人ともジャージを守りました。
・étape 7 個人成績
1位 2h 51m 12s ルイスレオン・サンチェス(GCE)
2位 same time マキシム・モンフォール(COF)
3位 same time カルロス・バレード(QSI)
・étape 7 終了時 総合成績
1位 29h 02m 48s ダヴィデ・レベッリン(GST)
2位 + 3s リナルド・ノチェンティーニ(ALM)
3位 + 48s ヤロスラフ・ポポヴィッチ(SIL)
・ポイント賞
トル・ハスホフト(C.A)
・山岳賞
クレメント・ロテレリー(SKS)
・新人賞
ロベルト・ヘーシンク(RAB)
http://www.letour.fr/2008/PNC/LIVE/fr/700/classement/index.html
史上、最も小さなタイム差である
3秒差での決着となった今年のパリ~ニース。
最後まで目の離せない面白いレースでした。