17°Tappa LIENZ (Austria) - MONTE ZONCOLAN (142km)
コース図(from J SPORTSサイト)
今年のジロ、最大の勝負所であるゾンコラン峠が登場。
平均斜度11.9%、最大斜度22%とコースレイアウトをした人は
何を考えているのだ?という位の強烈な登り坂。
ここで総合争いに大きな動きが出るのか?
それともディルーカが踏みとどまるのか?
放送開始時点では80km地点付近を走行中。
12人が逃げており、4分55秒の差がついていました。
逃げ集団の中にベッティーニを含め
3人のクイックステップの選手が入っており、
逃げ切りを狙う走りを見せていました。
逃げと集団のタイム差はほとんど変わらぬまま
2級山岳トゥアリス峠も通過していきました。
逃げ集団の中からは、トゥアリスからの下りで
バリアーニ、チオーニが飛び出します。
さらにコドルもこの逃げに追いつきましたが、
この3人の逃げは残り20kmを切った所で吸収されます。
後方の大集団の選手達も、トゥアリスの登りでふるいにかけられ
30人強しか残っていませんでした。
そして最大の山場、ゾンコラン峠の登りに突入。
ちょうど残り10kmのアーチがかかっており、
逃げ12人と集団とのタイム差は約4分。
しかしこのゾンコランの登りは約1時間
解説の栗村さんによると、ゾンコランの登り対策として
マウンテンバイクで使うようなギアを投入しているとの事。
確かに20%超の坂を登るのには、
それぐらいのギアが必要となるのかも……
マシンに関しての情報はとても為になりました。
しかしこのゾンコランの登りは、
たった10kmの坂に1時間近くかかってしまうらしいです。
栗村さんがジロの主催者の事を「ドS」といった事も頷けます。
逃げ集団からはチョー二が少し抜け出します。
大集団でも徐々に脱落者が出始めてはいますが、
総合上位のディルーカ、マッツォレーニ、シュレク、
シモーニ、クネゴは集団にしっかり残っています。
最大斜度22%の坂が選手達にまさに襲い掛かっているという感じ。
選手達を応援するロードペイントがたくさん書かれていますが、
選手達に見る余裕なんてほとんど無いのだろうなぁ。
後方の大集団ではシモーニが仕掛けてきました。
このアタックで振り落とされたのは総合2位のマッツォレーニ、
ディルーカにとっては最大の敵が脱落してくれた形になり
かなり美味しい展開となってきました。
結局このアタックで集団は5人に、
ディルーカ、シュレク、シモーニ、クネゴの上位陣に加え
15°Tappaで素晴らしいアシストを見せたピエポリが残りました。
15°Tappaで優勝し、新人賞争いをしているリッコは
ここで遅れてしまいました。
そしてシモーニがさらにペースアップすると、
ディルーカが中切れを起こしてしまいます。
シュレクが前を追い始めたのをきっかけに、
クネゴ、ピエポリがついていきましたが、
ディルーカはそのまま離されてしまいました。
ディルーカは限界なのか、それともタイム差を考慮して
無理をしない走りを見せているのか……。
この後、シモーニを追う3人のうちクネゴが脱落。
そしてシュレクとピエポリはシモーニに追いつき
3人で先頭を追い始めます。
ここでのタイム差は約1分半、ついに射程圏内に捉えたのかも。
残り5kmのアーチを通過後、チョーニは登り前半が
ハイペースすぎたのか、徐々に失速してしまいます。
対して追う3人はテンポ良いペダリングでペースを乱さず
一気にタイム差を詰めて行きます。
3人に置いていかれたディルーカ、クネゴも、
追走3人との差を約30秒ほどに保ちながら登っていきます。
先頭では失速したチョーニに代わり、コドルが先頭に。
しかし勢いはシモーニ、ピエポリ、シュレクの集団が上。
ピエポリの猛烈な引きによって、チョーニ、コドルを飲み込み
残り2kmのアーチを越えた辺りでそのまま先頭に。
ピエポリは15°Tappaでも素晴らしいアシストを見せましたが、
この17°Tappaのアシストも凄い働き。
プロ選手が行うアシスト能力の高さが堪能できる走りです。
3人のペースは落ちず、そのままレースは残り1kmに。
先頭で動きが出たのは残り200m地点付近。
ペースを上げたピエポリに、シモーニはついていけたものの
シュレクはついていけず……結局シモーニがステージ優勝。
2位に入ったピエポリは、15°Tappaに続き
チームの期待に応える見事なアシストを見せました。
ピエポリはこれで山岳賞はほぼ確定的に……
素晴らしいアシストのご褒美と言える山岳賞ゲットとなりました。
タイム差をつけたかったシモーニ、シュレクでしたが、
ディルーカが踏ん張っておりタイム差は約30秒ほど。
ここではディルーカの作戦勝ちでした。
これで総合優勝争いではディルーカがさらに優位に。
勝負所は残り2つ19°Tappaの山岳、
そして20°Tappaの個人タイムトライアル。
ここで逆転が生まれるのか、ディルーカが逃げ切るのか。
・17°Tappa 個人成績
1位 3時間51分52秒 ジルベルト・シモーニ(SDV)
2位 same time レオナルド・ピエポリ(SDV)
3位 +7秒 アンディ・シュレク(CSC)
17°Tappa 全選手記録
・総合成績
1位 77時間35分35秒 ダニロ・ディルーカ(LIQ)
2位 +2分24秒 アンディ・シュレク(CSC)
3位 +2分28秒 ジルベルト・シモーニ(SDV)
17°Tappa 終了時点総合記録
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