来年度から平行線に関する事を教える時に、
ちょっとした小話として使おうと思い読み始めたのですが……
人間の想像力の凄さが垣間見えました。
やっぱ非ユークリッド幾何学は面白いや。
非ユークリッド幾何学についての説明は、
Wikipediaの項を見てもらった方が詳細に解説されていますので、
ここでは簡単に解説してみます。
2本の線をまずは紙に記します。
そこへ別の1本の線を2本と交わるように引きます。
その時、2直線によって出来る角において
同じ側の角の和を取ったときに180度以下になると、
その2直線は180度より小さい側で交わる。
これがユークリッド幾何学「原論」の第五公準(平行線公準)です。
難しい事を言っているように思えますが、実験してみれば
「ああ、なるほど」と言えるはずです。
しかし、この第五公準が自明とは言い難かったために、
研究者が追求していった結果、生まれたのが非ユークリッド幾何学。
その非ユークリッド幾何学について、簡単に説明したのがこの本です。
線路のレールを使った最初の例えが秀逸なんです。
レールは2本が平行のはずなのですが、
地平線に近づくにつれて2本の距離は短くなるように見える……
このような身近な現象から考察・推測・仮定を積み重ねていき、
非ユークリッド幾何学の世界へと
少しずつ足を踏み入れていくような構成になっています。
ブルーバックスですので、高校生程度の学力で読める本です。
ちょっと想像力を要求される本ですが、
非ユークリッド幾何学の不思議な世界の入門編としては
かなり分かりやすい本だったと思います。
講談社
寺阪 英孝(著)
発売日:1977-01
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:211496
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