友人から紹介してもらった本「連射王」上・下巻を読み終えました。
上巻・下巻ともに299ページまで2段組で文章がギッシリ……
とんでもないボリュームでしたが、
一度読み始めたら止まらない止まらない。
紹介してくれた友人は、寝る直前に読み始めて
そのまま上下巻一気読みだったらしいのですが、
それも分かる位作品世界に引き込まれましたよ。
主人公の高村コウは、野球センスを持ちながらも
「本気」で戦う事が出来なかった少年。
その少年が時間潰しで入ったゲームセンターで、
わざわざ難易度を最高にしたシューティングゲームを
クリアしてしまうプレイヤーを見かけてしまいます。
このプレイを見た高村コウは、「本気」で戦う事を知るために
シューティングゲームにのめりこんでいきます。
幼馴染の岩田レンとのすれ違い、進路、野球などなど
様々な困難に直面していくのですが、
高村コウがシューティングゲームにのめりこんでいく中で
それらについての答えも導き出していきます。
RPGや格闘ゲームは確かに楽しめます。
しかしその楽しさは与えられるものであり、
自分で作り出す楽しさではありません。
さらに時間をかけたり練習すれば「誰でも」クリアできますから、
シューティング・パズル・アクションゲームなどの
苦しみを自分達の工夫で乗り越えてクリアしていくゲームとは、
達成感に段違いの差が有ると思っています。
この作品ではシューティングゲームの基礎知識について
かなり丁寧に書かれています。
敵の弾の切れ目で反対方向へ動く「切り返し」
見た目に騙されないようにする「奇数弾の避け方」
などなど、図入りでかなり丁寧に説明してあります。
シューティングの入門書にもなるぐらいですよ。
この作品で書かれているテクニックは、
シューティングゲームをする上では常識的な事なのですが……
これを知らないとなかなか上達出来ないんです。
でも本当は、それを自分の力で見つけていく事に意味があるのです。
自分の力で見つけたものは様々な場面で応用しやすく、
上達の度合いが加速度的に変わってくるからです。
僕も経験がありますが、「本気」でやるゲームは辛いです。
でも、自分の理想としているプレイに近いプレイが出来ると
えもいわれぬ様な達成感がやってくるのです。
この作品を読んで心の炎を再び点された感じで、
ゲームがまたやりたくなってきました。
最後はあるゲームに高村コウが挑んでいく部分が
描写されているのですが、そのゲームをしている部分の描写だけで
80ページ近くあります……でもその戦いは熱く激しく、
それでいてプレイヤーの息遣いが感じられる、
その場にいるような臨場感が味わえる描写なのですよ。
最後に近づくにつれて胸の鼓動がどんどんと高まっていき
涙腺もかなりやばい状態になっていましたよ。
2冊で税込み3780円とちょっとお値段が張りますので、
冒頭部分が掲載されている下のサイトで
雰囲気を味わってみていただきたいです。
興味を惹かれた方はぜひ読んでもらいたい……
ゲームって「本気」でやるともっともっと面白いんですよ。
http://www.mediaworks.co.jp/~w_kawaka/living/sinbun/ren/ren01.htm
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