空気に抗えない日本人を鋭く考察した「空気の研究」を著した
山本七平さんによる、武田信玄という人物の考察本。
何でこの時期にこんな本が再販されたのかと思ったら、
大河ドラマの影響だったのですね……
でもそのおかげで、素晴らしい本と出会えた事に感謝します。
武田信玄がいかにして政治を行い、
野望を達成するための施策をしてきたのか。
様々な事象と文献などの資料を基に考察をしている本です。
山本勘助に関しては「架空の人物」ではないかと、
本文中で考察されていますが、
これがまた「ありえそうかも」と思える位の
説得力溢れる文章で解説されていた点も良かった部分です。
治水については、石積出し・将棋頭・高岩などなど
信玄の作らせたものが今でも残っていまして、
地元民にとっては馴染みが深いものでしたので、
その段については特に興味深く読めました。
他にも、山国ならではの経済活動や
江戸の街づくりは甲斐の街づくりから学んだ、
などなど面白い考察記事に惹き込まれました。
ちょっと信玄に贔屓があるかなとも感じられる文章ですが、
それだけ評価しているという事でしょう。
確かに学もあり、行動力もあり、カリスマもあった
戦国大名でもここまで多才な大名はいなかったのかも。
僕自身もこの本を読んで、地元の英雄にもかかわらず
ほとんど知らなかった信玄公の事をもっと知りたくなりましたから。
大河ドラマに合わせて読んでみるのも面白いかも。
ドラマとは全く違う人物像が見えてくるかもしれません。
角川書店
山本 七平(著)
発売日:2006-12
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