『少年漫画考その一・アンケートという「天の声」』
この記事を読んで漠然と頭の中にあった事をまとめてみた。
ジャンプの感想サイトを見ていると、
世間の評価と大きな「ずれ」があるな、と感じていました。
高校生以下の学生3人に面白い作品とつまらない作品を
聞いてみたのですが
・面白い
(1)「ワンピ、アイシー、ネウロ、ジャガー」
(2)「ナルト、アイシー」
(3)「ブリーチ、リボーン、アイシー」
・つまらない
(1)「斬、こち亀、テニス」
(2)「以下の作品以外(ワンピ、ブリーチ、ナルト、アイシー)」
(3)「テニス、D-Gray」
という答えが返ってきました。
サンプル数が少ないので、一概には言い切る事は出来ないのですが、
これだけでもネットでの感想サイトとのずれを感じる事が出来ます。
中高生ぐらいでは、アンケート葉書を出すのは熱心な人ぐらいで、
聞いた3人に関しては、アンケートは出した事が無いとの事でした。
感想サイトでは評価が高い作品でも、
この様な本来の読者層である中高生や一般層には、
あまり受け入れられていないように思えます。
この様な「ずれ」は、『少年漫画考その一・アンケートという「天の声」』
に書かれているような、悪循環を引き起こす可能性が考えられます。
(上のエントリよりの引用)
ある特定の作品に、今までと違った非常に熱心なファン層がつく
→非常に熱心なファン層、せっせとアンケート葉書を送る
→編集部、そのファン層に受けそうな漫画を載せようとする
→段々雑誌自体の方向性が変わってくる
→以前からのファン、愛想をつかして買わなくなる
→売り上げ落ちる
→熱心なファンがついていた作家さんまで打ち切られる
→熱心なファン層離れる
→カタストロフ
これはもう起きつつあるのかも。
僕はアイシールドが始まってからのジャンプ読者ですが、
その短い期間にもかかわらず、紙面の充実度は
かなり落ちていると感じています。
実際に雑誌の発行部数はかなり減少していますし。
(
ジャンプのウィキペディア「発行部数」を参照)
そこには単行本の売れ行きは過去最高と書いてありますが、
この状況も長く続くかと言えば疑問符がつきます。
もちろん声の大きな層を抱えるメリットはあります。
良い消費者なので、確実な売り上げが見込めます。
しかし目の前の利益を追ってしまったが為に、
その後の利益を減らしてしまうようでは元も子もありません。
興味のある作品のために雑誌を読み始めたら、
違う作品が気に入ってその作品も買い始める……
これが雑誌ならではの流れなのですが、
発行部数が少なくなれば、そのような機会は減る事となり
結果先細りになってしまう可能性が考えられます。
一部の読者の「大きな声」によって、その他の読者の需要との
乖離が大きくなるとすれば……サンデーのような激しい凋落を
経験する事となるかもしれませんね。
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