本題に入る前に、この番組に出演していた
たけし軍団の「〆さばヒカル」さんが亡くなられました。
37歳という若さでしたが肝不全が原因だったそうです。
ご冥福をお祈りします。
さて、今回のテーマは「繰り込み理論」
・問題(分かりやすく改変)
下図のように長さ12cmの板を重ねていく。
1枚分はみ出させるためには何枚の板が必要か?
イメージ図はこんな感じ。
(実際には下の図のように置くと崩れます)
この問題を特には難しい知識は必要なく、
1枚ずつ重心を確認して推測する類の問題です。
・正解へのアプローチ
1枚のときは、2枚目の黒い部分が机だと考えます。
この時、ど真ん中で釣り合うのが簡単に想像できると思います。
さてこの状況に1枚加えて2枚にしてみます……
今度は3枚目の白い部分が机だと考えます。
このとき、はみ出る部分の総和が1枚以下でないと
落ちてしまう事となります。
既に1枚目が1/2枚分はみ出している状態なので、
2枚重なった部分が1/2枚まではみ出させる事が出来る。
よって、1/2÷2=1/4枚分はみ出したときに
総和が1枚となりますので、ぎりぎりの状態となります。
(1枚目が1/2と1/4、2枚目が1/4はみ出たので1枚分に)
続いて3枚のときは、はみ出る部分の総和は1枚半以下。
2枚目までで1枚分はみ出しているので、
新たにはみ出た部分が3枚使って1/2枚分……
つまり3枚重なった部分が1/6枚分はみ出したときに
総和が1枚半となるのでぎりぎりの状態になります。
この流れで見ていくと、1枚増やすたびにはみ出る部分は
1/2枚分増えていく、というルールが見えてきます。
ですのでどれ位はみ出すのかを計算しようとすると
1/2+1/4+1/6+1/8+……
という式が成り立つ事となります。
これを計算していき、最初に1を超えるのは1/8まで足したとき、
1/2+1/4+1/6+1/8=25/24 > 1
つまり4枚重ねた時点で1枚分以上はみ出すこととなります。
これを続けていくと、際限なくはみ出させる事が出来ます。
(あくまで理論上なので、実際には出来ませんけど)
しかし、だんだんはみ出る部分が減っていくので
1兆枚重ねたとしても14枚分ほどしかはみ出ないそうです。
解説中に竹内先生がゼータ関数の話しに入ってしまいました。
「繰り込み」はこの話と関連してくるのですが、
「簡単に言えば無限を有限に変換する事」。
これを使う事によって様々な事が明らかに……
それよりもゼータ関数の不思議な性質の方が面白いんですけどね。
(1+1+1+……= -1/2 とか)
これだけで数時間の話が出来ちゃうぐらいなのですが……
さすがに難しすぎたらしく、放送ではカットに。
どんな解説をしたのか見てみたかったな。
ちなみに本編で紹介されていた問題は下の本に載っています。
「竹内さんの本だ」と思ってちょうど昨日買ったばかりだったので、
タイミングがばっちりでビックリしました。
筑摩書房
竹内 薫(著)
発売日:2006-09
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