先生が仕事してくれました！
野尻抱介さんの5年ぶりの新作「南極点のピアピア動画」は、
どこかで見たような動画サイトを題材としたSF作品。
発表済みの短編3編と、書き下ろしの短編1編で構成されています。
まずは最初の短編3作について。
何というか「こうなったら良いよね」という願望丸出しな感じ。
その願望の達成に向けてひたすら頑張る姿が良いのよねー。
普通の作品だったら、関係者内での対立とか、葛藤とか、
そんな事で物語を膨らませる事が出来るはずなのに、
ほぼ一直線で目的に向かってしまうという潔さ。
この潔さが自分にとっては心地よく感じられましたなー。
そしてこの3編を踏まえたうえで、最後の短編を読むと
3つの話がまとまりつつ広がりを見せていくので
最後の短編だけ先に読むのは楽しみを半減……
いや99％減させる行為なので決してやってはいけません。
ニコ動文化（技術部とボーカロイド）にある程度馴染みがある方なら
様々な「それっぽい」用語でニヤリとできるはず。
かと言って馴染みのない方でも、文章自体が読みやすく出来ていると
自分は感じたので、一度読んでいて欲しいなぁー。
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