Étape 19 コース概要(57km 個人タイムトライアル)総合上位の3人が30秒差という稀に見る大混戦のまま迎えた
ラス前の個人TT(タイムトライアル)。
最終日は平坦コースだから差が付きにくく、
実質的な最終日となる可能性がある大事なステージです。
ドイツのTTチャンピオンであるラングが、
前回の個人TTに続き、この日も素晴らしいタイムで
暫定1位の座に居座ります。
そのラングを蹴落としたのは、
前回の個人TTを制したゴンチャール。
中間の計測地点での3分以上の差を守りきり、
ラングから3分18秒差の1h07m45sでゴール。
結局このタイムを抜く選手は現れず、
ゴンチャールがステージ優勝を獲得しました。
そして白熱する総合争いの2つ。
まずは5秒差で新人賞争いを繰り広げる
フォーテンとクネゴが続けてスタート。
5秒を追うフォーテンはTTが得意なため
フォーテン有利……と思われていましたが、
ジロ・デ・イタリアを制した俊英クネゴは
序盤の計測地点からフォーテンをリード。
ゴンチャールから4分15秒遅れでゴールしたフォーテンに対し、
クネゴは3分44秒遅れでゴール。
これでフォーテンとの差を36秒差まで広げ、
新人賞マイヨ・ブランを確定的な物としました。
そして総合優勝争いを繰り広げる
ランディス、サストレ、ペレイロの3人は
最後の最後にスタート。
最初の計測地点でサストレが脱落、
ペレイロも差を10秒縮められ20秒差に。
そして2分割の画面で、ランディスとペレイロのタイム差が
リアルタイムで変化していく様子が……
1秒、また1秒と削られていくタイム差に
ペレイロを応援していた僕にとっては、
自分の事でもないのに身を削られるような思いでした。
そして、ついに運命の時が訪れました。
半分を残してランディスが30秒差を克服、
この時点でランディスに事故でも無い限り、
ランディスに総合トップが移る事が確定しました。
最初の計測地点では、ランディスのタイムは
ステージ優勝したゴンチャールより1秒早いタイムでして、
そのタイムに対して10秒遅れだったペレイロは
序盤で足を使い果たしてしまったようでした。
第2計測地点では、ゴンチャールからは遅れたものの
ランディスはペレイロに57秒差を付け、
逆に27秒のアドバンテージを得ました。
結局ゴール地点では、ランディスはペレイロに対し
1分29秒の差を付け、59秒差でマイヨ・ジョーヌを奪還。
これで今年のツールは全ての部門賞が確定しました。
不調で8分差まで開かれた後、独走で差を詰め
最終日前日で逆転をしてマイヨ・ジョーヌでパリ凱旋……
ご都合主義といわれそうな今回のランディスの物語、
「事実は小説よりも奇なり」を改めて感じた今年のツールでした。
最終ステージは、タイム差が付いた事から
パレード的なステージになりそうです。
見せ場としてはスプリンター達のゴールスプリント。
スプリンター達の輝きを最後にもう一度見たいです。
Étape 20 コース概要(154.5km・最終日)
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