Étape 17 コース概要(200.5km)アルプス山脈最後にして、今年のツール最後の山岳ステージ。
後は平坦、そしてタイムトライアルなので
大きな差は付きにくい状況……
総合優勝と山岳賞に向けての最後の戦いとなります。
11人が11分以上の差をつけて逃げている所から放送がスタート。
しかし後方の集団では、前日大失速したランディスが
先頭に立ってものすごい勢いで引いていきます。
これで大集団はばらばらの状態になります。
さらにランディスはスピードを上げ、単独アタックを敢行。
8分差という絶望的な差をひっくり返す望みを繋ぐべく
最後の賭けに打って出ました。
セジエー峠(カテゴリ1級 標高1650m/14.9km/6.4%)の
頂上付近で先頭集団は7人に。
下りではランディスが一気に追いついてきました。
109km地点の
アラヴィ峠(カテゴリ2級 標高1486m/5.9km/7.1%)134km地点の
コロンビエール峠(カテゴリ1級 標高1613m/11.8km/7.1%)2つの峠を進んでいく間に逃げ集団は削られていき
ランディスとシンケウィッツで2人だけになってしまいます。
しかしランディスは先頭で風を受けながら
黙々と引いて行きます。
後方集団にいた、総合優勝を争っている総合1位~6位の
ペレイロ、サストレ、クレーデン、デッセル、
エヴァンス、メンショフの6人は、
ランディスから9分強の差をつけられたところで
ようやく前を追い始めます。
自らの力だけでなくアシストの力を使いながら
懸命にランディスを追い上げます。
しかしタイム差はほとんど縮められません。
ずっと逃げてきたランディスですが
シャティヨン坂(カテゴリ3級 標高735m/5.1%/4.9%)でも
後方集団に差をほとんど詰めさせず、
最後に待ち受けていたこの日の最難関
プラヌ峠(カテゴリ超級 標高1691m/11.7km/8.5%)に挑みます。
ここでの登りでランディスがスパートしたのですが、
一度も前に出なかったシンケウィッツが遅れてしまいます。
さらに追い上げ集団も上りに入りましたが、クレーデンが失速。
これでT-モバイルチームは完全崩壊となりました。
ランディスはそのまま逃げ切りゴール。
逃げ始めてからはほとんど1人で風を受けながらも、
後続に5分以上の差をつけての圧勝。
1日で地獄から這い出しました。
上位集団で踏ん張ったのはサストレ、
プラヌ峠の上りで差を詰め、2位でゴールするとともに
総合でも2位を死守しました。
そしてマイヨ・ジョーヌのペレイロも、
2位サストレと12秒差、3位ランディスと30秒差と
タイム差を詰められたもののマイヨ・ジョーヌは死守しました。
Étape 17を終えての総合順位はこちら。
[1] オスカル・ペレイロ 80h 08m 49s
[2] カルロス・サストレ 12s遅れ
[3] フロイド・ランディス 30s遅れ
4位以降は2分30秒の差ですが、
ここから先のコース設定を考えると
もう逆転は厳しい状況かもしれません。
勇気を出してアタックしたランディスは賭けに勝利、
前日の走りを払拭し見事に完全復活しました。
総合タイムも1位ペレイロまでは30秒差、
2位サストレまでは12秒差と再び射程県内に捕らえ、
優勝争いに復活……昨日は6分差以上の選手には
優勝の芽は無くなったような事を書きましたが、
素晴らしい走りを見せてくれたランディスにただただ脱帽です。
このままランディスが優勝したら
伝説に残るような優勝劇になりそうです。
Étape 18はアルプスの3日間に比べれば楽な下り基調のコース。
ここではタイム差はあまりつかないでしょう。
さらにÉtape 20はカーテンコール的なラストステージなので、
Étape 19の個人タイムトライアルで勝負が決するのか……
もしかしたらシャンゼリゼ(Étape 20)に勝負が
持ち越される事にもなるのかも。
そうなったら……歴史に残る大熱戦になりますよ。
Étape 18 コース概要(197km)Étape 19 コース概要(57km 個人タイムトライアル)Étape 20 コース概要(154.5km・最終日)
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