文庫版が出るまで待とうかと思っていたのですが
ネットアンケートの回答で図書券(3000円分)が
送られてきたので、勢い余って購入しちゃいました。
「
私の嫌いな10の人びと」
昨日、ワールドカップ初戦で日本が敗北しましたが、
この本を読んでいたせいでつい笑いが出てしまいました。
(引用開始)
わが国では試合会場のアナウンサーやゲスト解説者、
そしてとりわけスタジオの報道キャスターは、
視聴者が選手と「一体になって」好成績を期待する方向に
強引に雰囲気を持っていく、いや掻き立て煽り立てる。
(中略)
そして、おもしろいことに、天にまで届くほどもちあげたすえに、
惨敗したとしても、意外にけろりとしていて、
「次回に期待しましょう」とくる。
すべてを、明るいほうへ明るいほうへと語りつづけていくゲームは、
事実によって反証されてもびくともしないのです。
(引用終了 本文18~19ページ 第1章「笑顔の耐えない人」内
「不自然な明るさ」から引用)
昨日の夜から今日放送されたほとんどの番組において、
この事象が当てはまっていたのではないでしょうか?
冷静に敗因を分析せずに、前の事のみを考えようとする。
これでは同じ失敗を繰り返しかねないと思うのですが……。
本の紹介に戻ります。
この本のテーマは中島義道さんによる著作の根底に流れている
「いい人」が知らず知らずに押し付ける価値観について。
今回も「私の嫌いな10の言葉」と同様に、
切れ味鋭い文章がぎっしり詰まっています。
この本で挙げられた10の人々については、
下のリンクからご確認を。
多分1つや2つは当てはまっちゃっているんですよ、自分も含め。
「気をつけないといけないな」
そんな事を思うきっかけを与えてくれる本でした。
新潮社
中島 義道(著)
発売日:2006-01-18
新潮社
中島 義道(著)
発売日:2003-02
おすすめ度:
これは買い
哲学者が社会のために書いた本
読者に求められている言葉を書かないという潔さ
哲学的漫談
著者に同意しなくてもよいところがよい
PHP研究所
中島 義道(著)
発売日:1997-10
おすすめ度:
対話の不在は無思考に導く
頻発する少年犯罪の根源的な問題は「対話のない社会」だ
対話は命がけ
日本社会に対話が欠けているのは分かったが
無言の圧力
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