(06/11少し追加・修正)アイシー感想を2週連続で月曜日にアップしましたが、
本当なら一度読んである程度の感想を作ったうえで、
頭をなるべくまっさらな状態にするため火曜日まで時間を空け、
そこで読み返して感想を書くのがパターンなのです。
なんでこんなに面倒くさい事をするかというと、
最初の思い込みを出来るだけ排除したいから。
という事でこの本をご紹介。
物事が「わかる」という事を考察した本で、
「わかったつもり」が思考停止に繋がり、
「よりわかる」事を妨害していると述べています。
それらを説明するために、小二の教科書に掲載されている話など、
様々な文章を使って例を示しています。
第5章「分かったつもりの壊し方」内第2節「解釈の自由と制約」の
最後に「解釈」が妥当かを考える際の3つの条件が挙げられています。
その3条件とは
(引用開始)
1・整合的である限りにおいて、複数の想像・過程、
すなわち「解釈」を認める事になります。
間違っていない限り、また間違いが露になるまで、
その解釈は保持されて良いのです
2・ある解釈が、整合性を示しているからといって、
それが唯一正しい解釈と考えることはできないのです。
3・しかし、ある解釈が周辺の記述や他の部分の記述と不整合で
ある場合には、その解釈は破棄されなければならないのです。
このような制約条件のもとで、想像を逞しうして、
部分間の緊密性を高める想像・仮定を構築しては壊し、
また構築していく、これが「よりよく読む」という
過程の内実で無ければならないというのが、本節の結論です。(本文195ページより引用)
この考え方はとても大事で、自分が作品を批評する際や、
アイシー感想を書く際に一番気をつけているのはこの点です。
(
まもりさん立ち位置考察もこのような考えを基に書きました)
誤りがあればきちんと
正しそれを認めて、
その考えを破棄し修正する、それが大事だと思っています。
本をたくさん読んでいて、読解力に自信がある人でも、
この本を読むとその自信が揺るがされるかもしれません。
しかし、「よりよく読む」事が出来るようになるために、
この本を手本にしていただきたいな、と思います。
わかったつもり 読解力がつかない本当の原因西林 克彦
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いかにいい加減に文章を読んでいたかわかりました。
読者をおとしいれながら解説
そのとおりだ
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