高校生でも勘違いしている人が多い、
移項について書いてみようと思います。
移項の思い違いはしばしば計算間違いの元となっています。
これは計算法だけを覚えていて
原理が分かっていない事が原因です。
例えば天秤でつりあっている2つの物質を思い浮かべてください。
(2つの物質をAとBとします)
もしAの物質を2倍の量にしたら、
もうBの物質も2倍にしないと天秤は釣り合いません。
Aの乗っている受け皿に、Cという物質を2個乗せたら
Bの乗っている受け皿にも、Cという物質を2個乗せねば
天秤は釣り合いません。
上の事を数式化すると下のように書く事が出来ます。
A=Bが成立するとき、
2A=2B,A+2C=B+2Cが成立します。
そしてこれを四則演算について一般化すると
(一般化=どんなときにも対応できる)
A=Bが成立するとき、以下の4式が成り立ちます
A+C=B+C
A-C=B-C
A*C=B*C (*は×の意)
A/C=B/C (/は÷の意)
この性質を使って方程式を解くのが移項なのです。
これが分かっていない人が何と多い事か……。
先生の教え方も悪いのかもしれませんが。
正解
-3x=9
-3x/(-3)=9/(-3)
x=9/(-3) (あえて右辺は上の式から変えていません)
x=-3
間違い例
-3x=9
x=9+3
x=12
間違いの方が何をしたかお分かりでしょうか?
xの前にマイナスがあったから、反対に持っていくと
足し算になると覚えちゃっているのです。
実際には-3x=(-3)*xであるにも関わらずです。
このように「やり方」だけを覚えて
理解していない子(大人もかも)が本当に多いです。
自分は説明の際に必ず天秤の例を挙げて
移項の説明をするようにしています。
原理が分かっていないと間違う事が多いからです。
数学なんて高校までは原理を少しずつ難しくしているだけ。
それでいてきちんと最低限度の内容が備わっているのに、
難しいという理由だけで放り投げるのは勿体無いです。
大人になると数学を学べる機会は無いかもしれませんが、
老後の楽しみ(ボケ防止にも効きそうですし)として、
数学という選択もありではないかな、と思います。
もしかしたら老人向けの数学というビジネス、
成り立つかもしれないな……。
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