甲斐谷忍さんの新刊が2冊同時発売、こちらは短編集です。
裏表紙の「"天才"たちの競演に酔いしれる珠玉の短編集」という言葉が
この短編集の性質を見事に現しています。
表題作はドラマ化で一気に知名度を上げた「LIAR GAME」の主人公
秋山深一の大学時代を描いた「-roots of A-」。
本編の方でも見せていた情に厚い面の一部が垣間見えるエピソード。
ここから3作は6~7年前に描かれた作品。
ダーツを題材にした「9ダーツ」は、
ダーツ好きの自分にはたまらない作品でした。
9ダーツの狙い方が通常とは違っていて「あれ?」と思ったのですが、
最後の展開をするためだと分かり納得。
占い師を題材にした「サンソウ」は、
自分の未来が見えてしまった占い師のお話
水戸黄門的なお約束的展開ですがそれがまた心地よいです。
これは今連載している「霊能力者小田霧響子の嘘」にも
通じるものがありますね。
甲斐谷さんの他の作品でも出てくる
巧みな心理描写はこれらの作品でも健在。
満足度の高い1冊でした。
PR