短編集ですが、1作を除いて50ページ近くあるので
お話の運びがどれも丁寧に感じられました。
アンドロイドと人間における時間の感じ方の差異から
複雑な関係性を描いた表題作「ノスタルジア」。
アイドル的存在な男の子が、引きこもっていた女の子と
友達関係を作っていく「恋愛は、普通。」
知恵の実という考え方をベースに、16ページという短いページ数の中で、
ファンタジー世界だけでなく、人の心の機微まで描いた「赤い実」
互いを思いやるからこそ生まれ出た狂気が生々しかった「な忘れそ」。
統一感はほとんど無いのですが、
ちょっと心をえぐられるようなお話が……
カレカノの後期に見せていたややブラックな部分が
短編集でも出ていた感じがします。
ただその部分が多すぎないので、物語にとっての良いアクセントとなり
深みを増す要因になっていると感じました。
白泉社
発売日:2008-06-05
おすすめ度:
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