徹夜組とサークル参加証(チケット)入場者たちと措置について
りきおの雑記・ブログ コメント欄より
http://d.hatena.ne.jp/rikio0505/20080527/1211898821
コミケの中止案はいいですね。
あまりにも開催が当たり前過ぎますから。
何せ主催者側は、営利じゃないのなら中止でもそう影響は無いでしょうし…。 |
blog主のりきおさんのコメントを紹介しました。
中止案を提案した他の方に対してのコメントなのですが、
サークル参加者側がこんなコメントが出来るだなんて……
場を維持し続ける事自体が信頼に繋がる事があるって事が
過去の歴史を知らないから分からないんだろうなぁ。
コミケ主催者側はあれこれ手を尽くして場の維持に努めているのに。
開催中止によって信頼を失うという事例が同人界であった事を
知らない若い世代なのかもしれませんが、
軽々しくこういった意見は言って欲しくないですよ。
開催中止というのは大きく信頼を損なう行為です。
それはサークル参加者にとっても、一般参加者にとってもです。
その失った信頼を取り戻せないままのイベントがあります。
開催中止で男性向けサークルから信頼を失ったコミックシティの話から
場の維持から生まれる信頼関係について語ってみようと思います。
今現在コミックシティに行っている方はご存知でしょうが、
シティには男性向けサークルはほとんどありません。
スーパーシティなどでは2日で2万のサークルが出ていますが、
その中で男性向けは50程有るかどうかです。
(今年のカタログは無いので昨年のカタログを見ました)
なぜシティに男性向けサークルがいなくなったのでしょうか?
正確に言えば男性向けサークルがシティを避けるようになったかなのですが……
それは94年に開催を予定されていた「コミックシティ幕張」が発端です。
コミケが幕張を追い出されて(91年)以来、
この「コミックシティ幕張」は大きなイベントとしては
久しぶり開催となるはずでした。
しかしイベント主催者である赤ブーブー通信社が
警察側から逮捕をちらつかされた事によって
いきなりイベント自体の開催を取りやめてしまいました。
しかもそれだけにとどまらず、男性向けサークルを締め出すかのような
独自の倫理規定を設けてしまったのです。
大きな反発を食らってこの倫理規定は撤廃されましたが、
不信感を抱いた男性向けサークルのほとんどがシティを立ち去る事となり
男性向けサークルとシティの間に大きな溝が作られました。
(代わってコミックキャッスル、C・レヴォが
男性向けの受け皿として機能していきました)
このような歴史もあり、いまだに赤ブーのイベントに対して
嫌悪感を持っているサークルさんは少なくありません。
しかしシティがそんな事をした時期でも
コミケは場を提供する為に様々な力を尽くしてきました。
同じく幕張を追い出された時も(僕が初参加の時でした)
代替開場を使って何とか開催にこぎつけたのです。
このような場を守る努力を、そして表現者を守る努力を見せる事で、
コミケットは男性向けサークルだけでなく
多くのサークル参加者からの信用を勝ち得ているのです。
上のblogのりきおさんは有明しか知らないという発言が有ったので
当然このような事があった事を知らないと思われます。
確かにコミケは様々な問題をはらんでいるのは間違いありません。
そして今の対応策がベストと言うつもりはありませんが、
しかし出来る範囲内での事はやっていると感じられます。
ルール的には黒に近い事でも、それを防ごうとして
同等レベルの他の問題が発生しては元も子もありません。
ただ問題を感じる事、そしてそれを提案する事は自由ですが、
ある1つの問題に対処した際にそれに伴う副作用を考えないようでは、
建設的な提案とは言えないと思われます。
外部からは見えないでしょうけど、スタッフの方々は経験を生かして
複雑な線形計画法を解いて最適化を試み続けています。
りきおさんのような考え方が生まれてしまうのは、
イベント関係者(主催者・スタッフ)などの経験が無かったり
周りにそういう存在がいないからなんでしょう。
経験した事が無い人が喋るなというわけでは有りません。
自分の立場でのみ語るのではなく
何故そのような事が行われているのかにまで
思慮をめぐらす必要があるのではないでしょうか?
はてなブックマークのブックマークコメントでも書きましたが、
一度スタッフを経験するなり、熟練スタッフの話を聞いてみて
運営の努力を知る努力をするべきではないでしょうか。
限りある人員の中で安全性を保ちながらイベントを開催する為に
どれだけの努力がなされているのかを実感する事が出来ると思います。
それを知ったら……止めてみたらなんて気軽に言えなくなりますよ。
皆、自分の時間を削ってまでコミケという場を維持させようとしているのですから。
参考
Comic Box 同人誌界'94 (著・三崎尚人氏)
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