Tour of Flanders【264km】
コース図
http://www.rvv.be/2008/eng/parcours/kaart.html
高低差図
http://www.rvv.be/2008/eng/parcours/profiel.html
春のクラシック4週連続放送がスタート。
まずはベルギーで行われる「ツール・ド・フランドル」、
17回の登り、そしてパヴェ(石畳)が次から次へと襲ってくる
タフなコースで知られる難度の高いクラシックレースです。
実況は永田実さん、解説は今中大介さん、栗村修さん。
放送開始時点では2つ目の丘を超え131km地点付近を走行中、
4人が逃げを決めており、大集団とは2分弱の差がついていました。
集団では石畳区間に入る前の位置取り争いで、
歩道から前へと出ようとする選手が続出、
これがフランドルならではの激しさです。
選手たちは50km/h程の速さにもかかわらず、
器用に観客の間をすり抜けていくのは流石です。
平坦区間でタイム差が縮まり、
狭い石畳区間でタイム差が広がりつつ選手が絞られる……
そんな事を繰り返しながらレースは進んでいきます。
157km地点にある3番目の丘Molenbergでは、
狭いコースで選手が立ち往生状態に。
ここで止まってしまった選手は脚を使わされるので厳しそう。
だからこそその前での位置取り争いが激しくなるのですが。
残り100km地点で逃げ集団からレンデルスとフィーラースが脱落、
しばらく逃げ集団はジェロム、トンバクの2人となりましたが、
この2人が待つような形で逃げ集団は再び4人に。
まだ勝負所は先と見て体力の温存を狙ってきたのかな。
4人はペースを維持しながら逃げ続けています。
大集団は相変わらず約1分ほどのタイム差に位置。
しかし雨が強くなってきておりコンディションはさらに悪くなっています。
残り90kmを切った所で、集団内で落車が発生。
これでドゥヨンフが立ち上がれません。
ボーネンの先導役がここで欠けてしまう事となると
クイックステップとしては計算が狂ってしまいそうです。
残り85km手前で、Molenbergで飛び出したワーグナーが
逃げていた4人に合流して逃げ集団は5人に。
しかし集団の方でもアタックがありペースが上がっていた為、
残り82km地点で逃げていた5人は吸収されてしまいました。
大集団は5人を吸収直後にペースアップ、
次の登りOude Kwaremontへ向けての位置取り争いが激しくなってきました。
Oude Kwaremontでは集団は一気に縦長に、
集団の人数もかなり減ってきたように感じられます。
さらに続いての6番目の登りPeterbergの登りに突入。
360mと登坂距離は短いですが、平均勾配 12.9%、最大勾配 20.3%
さらには石畳という極悪なコンビネーション。
このPeterbergを超えた所では集団はバラバラに千切れました。
そして7つ目の登り、昨年は補修中で通過しなかったKopenbergへ。
登坂距離は600m、平均勾配11.6%、最大勾配 22.0%、そして石畳
プロ選手でも止まってしまい、押して登るような激しい坂。
初めて見たのですけど……これは酷い坂。
この坂を生活に使っているのか、凄いなベルギー。
この後の坂は少しここまでに比べると大人しい坂が続きます。
Steenbeekdriesでは優勝候補のホステがマシントラブルで停止。
ホステはこのレース勝てていないのですが、
今年もこんな所で遅れを取る事となりました。
それでも先頭に追いつくために、アシストの助けを借りて
懸命に先頭の集団を追って行きます。
この後先頭の集団は、アタックと吸収が何度も起きる激しい展開。
ホステは残り40km付近でボーネン属する追走集団に合流。
20kmを超える追い上げによる体力の消費が
どれほどのダメージになっているかが心配です。
この時点では逃げ集団はディフェンディングチャンピオンの
バッランを含めた5人に、ボーネンが属する追走集団は
30秒弱の差で追いかけている状態となりました。
そして逃げていた5人は15番目の登りEikenmolenの前で吸収。
追いつかれた5人でしたがデヴォルデルがペースを上げ
単騎での抜け出しに成功しました。
デヴォルデルが先頭、30秒差でメイン集団という形で
16番目の登り、難関Muur-Kapelmuurがやってきました。
登坂距離475m、平均勾配9.3%、最大勾配19.8%、当然石畳。
メイン集団からはまずはフレチャが抜け出し一気に活性化。
結局山頂では6人が追走集団を作っていましたが
デヴォルデルとは15秒ほどの差がついていました。
デヴォルデルは単騎逃げのまま最後の登りはBosbergへ突入。
登坂距離980m、平均勾配5.8%、最大勾配11・0%と
斜度はそこそこですが距離が長い最後の難関です。
登坂に入る手前でメイン集団から抜け出してきた
ランヘフェルトが前を追って行きましたが、
デヴォルデルは何とか坂の頂上を越え残り10kmを迎えました。
先頭デヴォルデル、追走ランへフェルトは15秒差、
優勝候補の入っているメイン集団は約30秒差です。
残り7kmでメイン集団がランヘフェルトに合流……した途端に
カウンターアタックでフレチャが抜け出しました。
タイム差は一気に縮まっていきますが、
ゴール前の登り坂でデヴォルデルが踏ん張りを見せ
タイム差をどんどんと広げ始めます。
結局デヴォルデルはそのままゴールまで押し切り逃げ切り勝利。
ベルギーのチャンピオンジャージを指差しながら
ゴールラインに飛び込んだシーンはカッコよすぎでした。
アシストとして走っていたにもかかわらず、25kmの独走の末の勝利。
最後に抜け出した後はペースがほとんど落ちない……
強さを存分に見せ付ける圧勝劇でした。
・総合成績
1位 6h 27m 44s ステイン・デヴォルデル(QSI)
2位 + 14s ニック・ナイエンス(COF)
3位 + 15s フアンアントニオ・フレチャ(RAB)
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