白秋関連で考えていた事をまとめてみました。
書き忘れている部分も有るかもしれませんが、
とりあえず自分が作品から読み取ったのはこんな感じの事です。
・白秋の強さについて
関東大会に出てきた8つの高校のうち、
泥門に関連した学校だけを強さで並べてみると
白秋<泥門<西部≒王城<神龍寺
こんな感じになるのではないでしょうか。
面白いのはこの5校の内、一番下の2校が決勝に進んだ事。
勝負事ですから『力で勝っている = 勝利』という図式は
相関関係は有るものの絶対ではありません。
しかもトーナメントは一発勝負ですから、
力の差を覆しての勝利は十分ありえる話です……
というかそれがありえないような競技はほぼ無いのですが。
ただ泥門は奇策などで喰らいついていったのに対し、
白秋はQBを潰すという峨王という存在が居たからこそ出来た
強引な力押しで勝ち上がってきましたから、
その点は全く異なっています。
6巻の巻末書き下ろし部分を見れば分かりますが、
白秋の評価は泥門と並んでD評価ですから
春大会の時点ではそれほど評価されていませんでした。
そこに入ってきたのが峨王と如月位ですから、
チーム全体の力としては泥門の方がはるかに上でしょう。
白秋がここまで勝ちあがってきたのは
相手の選手を潰してきたからですが、
これも見返してみると意外な事が分かります。
・峨王はQB以外は骨折させていない
凶暴性ばかりが目立っていた峨王ですが、
ボールを扱うQB以外の選手に関しては骨折をさせていません。
これは太陽戦の直後の台詞からも逆説的に読み取れます。
ライン戦は力勝負に行き、ラインを突破した後は
勢いをつけたままQBに到達し仕留める、
これが峨王のスタイルだと僕は読み取りました。
そう考えると、意外と紳士的なのかも……
陸との掛け合いなど紳士的な台詞も結構ありましたし。
そのライン戦も、太陽スフィンクス以外は
一瞬すら止める事が出来ていなかったようですから
峨王がQBに到達する時にはかなりの勢いを持っていたと考えられます。
助走が加わっているのですからそりゃ破壊力も増しますよ。
さらにQBはボールを投げるという動作をする関係上、
ラインに比べると防具が軽くて薄くなっていますし、
そもそも腕を狙われてしまうポジションですから
QBが骨折しているのにラインが骨折してないというのも
ありえない話ではありません。
・決勝の相手を白秋にした意図
(1)まずはアメフトの根源である力を描きたかったという事
(2)チーム力の逆転させる為に一時的にヒル魔さんを退場させ
栗田君・セナ君の決意を引き出す事
この2つを白秋戦に入れようと考えていたと思われます。
ヒル魔さんを退場させる事によってチーム力のバランスを覆したのですが、
これが出来るのは次の試合に影響の無い(少ない)決勝のみ。
神龍寺・王城相手ではフルメンバーでようやっとだったのに
白秋相手では手負いのヒル魔さんで何とかできたのですから
白秋のチーム力が神龍寺・王城よりも低い事がこの事からも分かります。
白秋はチームの総合力を見れば神龍寺・王城と比べてかなり落ちますから、
峨王という選手を完全に封じ込めてしまえば、
その時点で泥門がかなり有利になってしまいます。
試合中、峨王と栗田がほぼ互角になった時点で
通常であれば泥門側が半歩リードできるはずなのですが……
その前に峨王によってヒル魔さんの腕が壊されていました。
さらには白秋が大量リードを奪っている状態になっていたので、
この試合では格上と言える泥門が追い詰められる事となりました。
試合終盤には万全じゃない泥門と、ほぼ万全な白秋で
ほぼ互角の状況になっていたと僕は思っています。
これによって終盤の追い上げで試合を盛り上げる事になりました。
白秋という特殊な戦い方をするチームを使ったにもかかわらず、
様々な要素を組み合わせて上手く試合を展開させたと感じました。
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