『鬼才』という言葉が相応しい岡本倫さんの
短編を集めた作品集が豪華装丁で発売されました。
(以下エルフェンリートに関しては『…』は単行本化された作品
「…」は読みきり作品を指します)
タイトルは同じものの、出世作『エルフェンリート』とは
全く違った内容になっているデビュー作「エルフェンリート」に加え、
デビュー以前に創られた未発表作品が収録された「Flip Flap SIDE」。
そしてデビュー後の読みきり作品を収録した
「Allumage SIDE」の2冊で構成されています。
上で書いた「エルフェンリート」をはじめ、
4作は『エルフェンリート』の単行本内で掲載されていた作品ですが、
2作の未発表作品を含めて5作の単行本未収録作品があるので
1200円を出すだけの価値は十二分にあったと感じました。
ただ、豪華すぎて気軽に手に取ってもらえないかも……
とんでもないレベルの短編集なんですけどね。
岡本倫さんの作品に通じるワードは「狂気」。
描写自体も残忍性の高い場面が多いですし、
キャラクターの性格もかなり特殊。
でもそれぞれの作品のテーマ性はとても深く、
狂気じみたキャラが垣間見せる人間臭さも
そのテーマ性に大きく寄与しているのは間違いありません。
絵柄・物語・キャラクター、どれもが個性が強すぎるので
好き嫌いがはっきり分かれる作家さんかもしれません。
万人に好かれる作家さんではありませんが、
僕にとっては出会えてよかったと思える作家さんの1人です。
上でも書きましたが、この作品集に収録されている作品の一部は、
単行本『エルフェンリート』内に収録されています。
(1~3 & 5巻に1篇ずつ収録)
そちらを読んでから判断してみてはいかがでしょうか。
オススメは5巻に収録されている「エルフェンリート」、
ピアノ奏者のお話です。
集英社
岡本 倫(著)
発売日:2008-03
発送時期:通常24時間以内に発送
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