市町村合併などで、町の枠組みに注目されている昨今。
この本は県境という身近なようであまり馴染みのない話題だけで
1冊の本を作り上げてしまっています。
県境にまつわる様々なエピソードはバラエティ豊か。
版籍奉還から廃藩置県の時代における政府と住民との
激しいやり取りによる統廃合・分割の歴史は
そのまま日本の文化を理解する手助けになります。
1つの島に2つの県が存在するという瀬戸内海の島々に残る県境。
普通の地図ではその存在すら知られない山形・新潟間を走る
幅1mほどしかない福島県の存在。
現在も残る県境の成り立ちも、経済的なものだったり
宗教的なものだったりと理由は多種多様。
この本を読む事によって県境という物が
グッと身近に感じられるようになるのが不思議です。
地図マニアとしての観点で手を出した本だったのですが、
地図に秘められた歴史まで感じる事が出来たので
満足度はより高く感じられました。
地図好きな方だけでなく歴史好きな方に読んでほしいと思いましたね。
県境にこれだけのドラマが隠されているのか、
と思うこと間違い無しの1冊です。
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