連作短編アニメーション「秒速5センチメートル」のノベル化。
http://www2.odn.ne.jp/~ccs50140/short/index.html
これまでも新海誠さんの作品はノベライズされてきましたが、
今回は新海誠さん自身がノベライズ。
映像を作ってきた人だったのでどんな小説になるかと思っていましたが、
丁寧に言葉を選んでいる事が伝わってくる作品となっていました。
原作のアニメーションと同様に3部構成となっていましたが、
第1部「桜花抄」は、主人公遠野貴樹自身の視点から1人称的に書かれ、
第2部「コスモナウト」は、澄田花苗の目を通して
遠野貴樹の事を書いた2人称的な表現。
そして第3部「秒速5センチメートル」では、
客観的な視点という感じの3人称な視点で書かれており、
それぞれ違った角度から主人公である遠野貴樹を見ています。
この小説はアニメーションを補間している部分が多いのですが、
見ていない人でも楽しめるように工夫は為されています。
このあたりからも丁寧さを感じる事が出来、
とても商業誌への小説の連載が初めてとは思えない出来だと感じました。
アニメーションを見ていた人にとっては
第3部「秒速5センチメートル」の部分が最も気になる点でしょうけど、
アニメーションでは語られなかった部分が多数語られているので、
ラストシーンの表情の意味などは、この小説を読むことによって
理解できるようになるのではないかと思います。
メディアファクトリー
新海誠(著)
発売日:2007-11-14
発送時期:通常3~5週間以内に発送
ランキング:91
おすすめ度:
申し分無い出来。
改めて凄い人だと言わざるを得ない
救われます
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