達海監督の破天荒なコーチングが楽しいこの作品。
シーズンが始まり開幕5連敗を喫しているのですが、
意味のある負け方を描くという点が面白い。
「俺、解任まであと何連敗できる?」という台詞からは、
目先の利益にとらわれない確固たる信念を感じる事が出来ます。
そして興味深かった点がもう1つあったのですが……
それが応援に対する描写。
日本の観客は「観戦」ではなく「応援」に来ちゃっている人が
多いと思っているのですよ。
音を鳴らしたり、歌を歌ったり、チアも試合そっちのけで
自分たちのダンスをやる事しか考えていなかったり……
だから観客席からプレイに対して的確な反応を返せない。
それが選手の成長スピードにも影響を与えてしまっているのかも
などと思ってしまうのです。
ついこの間、オランダに行った本田圭佑選手に関する記事にも
こんな事が書かれていました。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/
20080121-00000017-spnavi-socc.html
「すごいファンが盛り上げてくれた。
ああいったのは励みになるし、力にもなる。
(中略)
こっちは日本と違ってバックスタンド(応援席)だけが
応援するのではない。全員が応援する。
全員がバックスタンドの熱い人たち。全員が監督」
選手やコーチ陣がチームを作るのはもちろんなのですが、
観客もその一員になれるのではないかと、
こういった記事から感じ取れるのですよ。
だからこそ観客に関しての描写が気になりましたし
どのような展開を見せるのかも楽しみになっています。
講談社
綱本 将也(著)ツジトモ(イラスト)
発売日:2008-01-23
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