ここ最近、秋葉原開発の進行度合いは加速しています。
新しいランドマークでもあり、新秋葉原の中心的存在でもある
秋葉原クロスフィールドをプロデュースした妹尾堅一郎氏によるこの新書は、
秋葉原開発における氏の尽力が記されている興味深い内容の本でした。
秋葉原は、都心の再開発の中でもかなりの成功例だと思っています。
町の活気・雰囲気を壊す事無く、規模を大きくしていけたからです。
何故そのような発展が実現できたのか不思議でしたが、
秋葉原が好きな人がこれだけ深く関わっていたのであれば……と納得出来ました。
特に感銘を受けたのが『ビル栄え、街いっそう栄える』という言葉。
妹尾堅一郎氏が独りよがりのビル建築を断固拒否しているのですが、
それはビル1つだけで街の魅力を全て賄えるわけではないから。
ビルが栄えても、周りが寂れて人通りが少なくなれば意味がありません。
WIN-WINの関係を構築すべく、様々な考えを巡らせて
街作りを実行しているという事がこの本を呼んで理解できました。
万世橋周辺の再開発、神田川を使っての周遊船・シャトル船計画など
実現したら面白そうな計画が掲載されていました。
これらが実現するかどうかは自分の眼で確かめたいと思っています。
やや学者肌が出てしまったのかカタカナ語が多く、
それらの用語に普段触れていない人には読みにくくはなっています。
それでも街づくりに関するヒントを得られるような
素晴らしい考察やアイディアが満載されているので、
読んでいて退屈する事はまったくありません。
これからは秋葉原という町を歩く時に、
目に入る物の見え方が変わってきそうです。
アスキー
妹尾 堅一郎(著)
発売日:2007-11-12
おすすめ度:
PR