自ら大学ジャーナリストと名乗る石渡嶺司さんによって
著されたこの本は、「自主性を持たない学生」
「経営観念・育成技術を持たない大学」など
大学に関連する様々なの問題の実情が書かれています。
大学生や、大学の職員に何人も知り合いがいるので
いろいろな話を聞くことが出来るのですが、
この本に書かれているような事は
近い事が大学・学生側で見られると言われます。
大学側のダメ改革の例として、名前を変えてしまったが為に
何を学ぶのか分かりにくく学部・学科名の事や、
そしてどこにあるかも分からないような大学名についても
指摘していたのですがこの点については本当に同感です。
僕の出身大学も、学部名がカタカナ混じりの物が出来たのですが、
正直全く魅力を感じませんでしたし、説明する時に困るんですよね。
文字だけでは何をやっているか分かりにくいですから。
だから学校についてのアンケートが送られてきた時に
その点について文句を書いて返送しましたもん。
カタカナ名ってバカっぽく見えるのに、
中の人達は気づかないのかな……。
しかしただ単にこれらの実情をこき下ろすだけではなく、
化学変化を起こして成長を見せる学生の姿や、
そういった学生を生み出す為に尽力している大学の
それぞれの具体的な策を紹介しています。
日本の大学教育を憂う気持ちが伝わってくる本になっています。
伝聞形式の第4章はネタと見るべきなのかな……
この部分が無ければもっと高い評価が出来たんだけど。
これから大学に入る人はもちろん、どんな世代の人にとっても
これからは関係の出てくる可能性がありますから、
その時の為に読んでおいておいた方が良い1冊かも。
光文社
石渡 嶺司(著)
発売日:2007-09
おすすめ度:
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