世界自転車選手権最後の種目は、
男子エリート(23歳以上)のロードレース。
今後1年間、レース(TTを除く)でアルカンシェルに袖を通せるのは
このレースに優勝した選手のみ……
「2位のものには虹は輝かない」
最強の証を手に入れるのは誰になるのでしょうか?
(カッコ内の言葉はEDIFICE × J SPORTSの
コラボレーションTシャツに書かれた言葉。このTシャツ欲しすぎる)
・男子エリートロード コースレイアウト
【267.4km】 (19.1km×14周回)
http://www.radwm2007.com/index.php?
radwm2007=webpart.pages.TacomaDynamicPage&
navid=2002&coid=2002&cid=0&
radsid=fff0ca41d78529ffdbd7c0f8930182e9
実況はSaschaさん、解説は栗村修さん、永井孝樹さん。
19.1km×14周回 267.4kmの長丁場ですが
放送開始時点では6周目を走行中、
逃げがピドゴニー(ウクライナ)1人、2番手の追走集団が約40人、
そして大集団という形になっていました。
ピドゴニーから大集団までの差は2分50秒、
まだレースは折り返しにも到達していないので、
勝負所はこれからという感じでしょうか。
大集団は7周目に入って少しずつペースを上げ、
7周目の後半で追走集団を吸収しました。
7周終了時にはピドゴニーから大集団までの差は1分04秒。
少し差が詰まりすぎたのか集団はペースを落としたのですが、
このペースダウンを機に集団が活性化。
抜け出そうとする選手が出始めてきました。
Herdwegの登りで選手が抜け出しに成功、
ここで逃げていたピドゴニーも吸収されました。
続いて出来た逃げ集団は約20人。
ベルトリーニ(イタリア)が先頭を引き
大集団とのタイム差を広げていきます。
8周目終了時点では、逃げ25人と大集団との差は1分45秒ほど。
9周目には大きな動きは無く、9周終了時点での
逃げと大集団のタイム差は2分20秒と少し広がりました。
10周目に入り、大集団ではHerdwegの登りで
遅れ始める選手が出始めました。
オーストラリアの引きで集団がペースアップしているようで、
逃げ集団との差も一気に1分を切ってきました。
逃げ集団でも動きを見せる選手が出始めましたが、
ここでは抜け出すまでには至りませんでした。
10周終了時点で、逃げ集団と大集団のタイム差は40秒ほど、
一気に大集団が追い上げてきました。
11周目でも動きが出たのはHerdwegの登り、
逃げ集団では13%の登りを利用してベルトリーニ、
クローン、ファンベルガーなどが次々と仕掛け、
逃げ集団は10人ほどに絞られました。
この後、クローン(オランダ)、ロドリゲス(スペイン)、
ベルトリーニ(イタリア)の3人が逃げ集団から抜け出したのですが、
大集団は追走集団、逃げ集団と一気に襲い掛かり
ここで1つの集団に再構成されました。
11周目終了時点で遅れた選手はいるものの
集団は1つのままでゴールラインを通過。
11周目はここまでの最速ラップ27m 11s、
ペースがグンと上がりレースは勝負所が近くなってきました。
12周目でもHerdwegの登りで一気に集団が縦長に。
アレクサンドル・エフィムキン(ロシア)、エルミガー(スイス)の
2人が飛び出し、逃げ集団が形成されかけましたがこれは決まらず。
2つ目の大きな登りBirkenkopfではバッラン(イタリア)がアタック、
このアタックに乗じたテュルパン(フランス)の単騎逃げも決まらず
一団となって12周目のゴールラインを通過していきました。
12周目のタイムも27分台、厳しいレースになっています。
13周目のHerdwegでは、激しい動きが繰り返されましたが
抜け出しに成功する選手はいませんでした。
しかしBirkenkopfの登りでレベッリン(イタリア)が抜け出し、
集団はばらけ気味に。
コロブネフ(ロシア)が追いついてきましたが、
他の選手はこの2人になかなか追いつけません。
集団では有力チームが牽制しあい、逃げ2人にタイム差を
少しずつ広げられてしまいましたが……
危機を感じたスペインが先頭を引き始めました。
13周目のタイムは26m 47s、ペースはもう下がりません。
追走集団との差は18秒、逃げ切るのはちょっと厳しそう。
最終周回の14周目、Herdwegの登りで逃げの2人は集団に吸収。
代わりにウェーグマン(ドイツ)が抜け出しに成功すると
さらにこの集団に優勝候補の選手が合流し
10人程の逃げ集団が形成されました。
フレイレ(スペイン)が追走に取り残されたのを見て
ベッティーニ(イタリア)自らが先頭を引き、
フレイレを潰しにかかりました。
結局フレイレは先頭に追いつけませんでした。
続いてのBirkenkopfの登りに至る部分でベッティーニがアタック。
この動きに対してフランク・シュレク(ルクセンブルク)、
シューマッハー(ドイツ)の2人が反応。
さらにコロブネフ、エヴァンスが追いつき、
5人で逃げ集団が形成されました。
追走はそれほど差がないものの、詰める事も出来ていません。
残り5km、追走集団は見えているのですが意思の疎通が上手くいかず、
さらに逃げの5人も上手くローテーションが回らず……
微妙な差のまま残り3km。
追走までは10秒弱、大集団までは40秒ほど差が有るので
可能性は逃げ5人と追走の8人に絞られた感じです。
駆け引きが始まればその集団は遅くなるので、
5人の逃げ切りも、追走8人の合流もありえそうです。
逃げ4人はやや牽制があったのですが、
追走集団もスタミナが切れたのか追い上げる事が出来ず。
10秒の差のまま残り1kmに突入。
最初にエヴァンスが仕掛けましたが、
これは潰され牽制状態に入ります。
そして残り200mでコロブネフが仕掛けましたが、
ベッティーニが絶妙なタイミングでスパートして
ゴール前で見事に差しきり優勝、ベッティーニが2連覇を達成し、
アルカンシェルを守った形となりました。
ゴール後のベッティーニの涙に、こちらも泣かされました……
ジーンと来るシーンでした。
中盤の絞込み、終盤の駆け引き、
最高峰の戦いに相応しい、自転車ロードレースの魅力が
ぎゅっと凝縮されたレースだったと思います。
そんな厳しいレースの中、ディフェンディングチャンピオンという
重圧をはねのけて2連覇を達成したベッティーニに
大きな拍手を送りたいです。
・男子エリートロード 総合成績
1位 6h 44m 43s パオロ・ベッティーニ(スイス)
2位 same time アレクサンドル・コロブネフ(ロシア)
3位 same time ステファン・シューマッハー(ドイツ)
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