病院の待ち時間に本を読んでいたのですが、
やけに視線を感じるな……と思ったら本のタイトルが原因だったのかも。
今日紹介するのがその読んでいた本「医療の限界」。
人々の現代の医療に対して持つイメージに対し、
現場からの問題提起がなされている本です。
日々進歩している医療に対し、「必ず成功するもの」という
イメージを持つ人は意外に多いのではないでしょうか。
しかし病名は同じでも、薬の効き目や手術の効能は千差万別であり、
前例からは適切と思われる医療行為をしたとしても
100%完治するわけではないという事を理解しておかねばなりません。
最近では、産婦人科の減少も問題になっています。
これは出産というのが大きなリスクを伴う行為にもかかわらず、
いつの間にか100%安産でなければならないというイメージが
多くの人たちの間に定着してしまっている事が、問題の根となっています。
祖父が亡くなった時は、祖母と同時に入院したのですが
問題が軽いと思われていた祖父の容体が一気に急変し、
そのまま息を引き取ることとなりました。
また自分自身は仮死産だった為、出産の難しさも言い聞かされました。
このような特殊な経験をしている事あり、
お医者さんの対応の難しさを知っているからか、
この本に書かれているお医者さんからの叫びにも近い言葉が
強く胸に染み入りました。
患者だけでなく行政や医局など、現在問題があると思われる点には
すべて言及しており、著者医療に対する危機感が切実に伝わってきます。
この本がきっかけとなり、医療行為が不確実な物であり
医者が万能な存在ではなく患者と同じミスを起こす可能性を持つ
『人間』である事が多くの人に広まって欲しいです。
新潮社
小松 秀樹(著)
発売日:2007-06
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:101
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