étape 19 Cognac - Angoulême【55.5 km 個人TT】
コース図 コース断面図
長い戦いの実質的な決着の場となる個人タイムトライアル。
個の力での勝負となるので、本当の実力が試されるステージです。
平坦基調なのでスペシャリスト達の活躍も見られそうですし、
何より大接戦となっている総合上位の3人が
どのようなレース運びを見せるのか……楽しみいっぱいです。
今日の実況は白戸太朗さん、解説は栗村修さん。
放送開始時点ではホステが1h 05m 32sで暫定トップ、
平均時速は50km/hを超えていました。
雨が降り始めているので、落車などのトラブルが気になります。
プロローグで優勝したカンチェッラーラのゴールタイムは、
ホステから6秒遅れ、後半にやや失速してしまったようです。
TTスペシャリストのミラーはスタート直後に後輪が破損。
実況・解説の2人が見たこと無いという
リムがディスクホイールにめり込むって、ありえない壊れ方。
スタート直後という事で、これはモチベーションが下がるわ。
でも、走行フォームは綺麗な流線型……
栗村さんがべた褒めするのも頷けます。
しかしゴールタイムは1h 10m 37sと振るわず、
出だしのトラブルが痛すぎでした。
ホステのタイムがずっと破られなかったのですが、
このタイムに迫ってきたのがデッケル、
第1計測・第2計測ともにホステを上回るタイムで通過します。
さらにヒンカピー、グティエレス、カルペツと
第1計測のタイムが次々塗り替えられ、
ゴールタイムが期待できる選手がどんどんと出てきました。
デッケルは1h 05m 39sと7秒遅れでゴール、
étape 16での100km以上の引きも凄かったですが、
このタイムトライアルの走りも凄い。
22歳という事を考えると、この後の活躍が楽しみです。
チョーニ、バレードの2人は、ジャージを泥で汚していましたが、
雨の影響が総合上位勢に出なければ良いのですが。
そしていよいよ総合争いの上位3人がスタート台に登場。
3位ライプハイマー、2位エヴァンスと1位コンタドールとの差は
それぞれ2分49秒遅れ、1分50秒遅れですが、
力量的にはコンタドール<エヴァンス<ライプハイマー
1時間以上かかる個人TTなので、逆転の可能性も十分にあります。
そして中間計測地点で好タイムを出していた選手が次々とゴール
まずはヒンカピーが15秒上回る1h 05m 17s、
しかしグティエレスが1h 05m 11s、
さらにカルペッツが1h 04m 40sと、
次々と暫定トップタイムが塗り替えられていきます。
そして上位3人の第1計測地点(17.5km地点)でのタイムは、
3位ライプハイマーは19m 36s、2位のカルペッツに39秒差を付ける
暫定トップタイムを叩きだしました。
2位エヴァンスは19m 50s、ライプハイマーからは14秒遅れ。
エヴァンスも速いのですが、ライプハイマーがそれ以上に速すぎる。
しかし元々のタイム差が59秒なので、
このペースで行けば何とか2位は守りきれるか。
あとはコンタドールとの差ですが……
そのコンタドールは20m 12s、ライプハイマーから36秒遅れ、
エヴァンスから22秒遅れ。
体力が残っていればマイヨ・ジョーヌは守れそうです。
第1計測地点を通過した時点では、コンタドールに対して
エヴァンスは1分28秒遅れ、ライプハイマーは2分13秒遅れ、
詰まってはいますが、まだまだタイム差は大きいです。
上位3人の第2計測地点(35.0km)でのタイムは、
3位ライプハイマーは39m 44、ここではカルペッツのタイムを
1分13秒近く上回ってきました。
ミスがなければステージ優勝はほぼ確定、
このペースが最後まで続けば、逆転も夢ではありません。
2位エヴァンスは40m 19s、ライプハイマーとの差は
59秒差→24秒差と大幅に詰められました。
2位を守る事が出来るか。
1位コンタドールは41m 13s、ライプハイマーとは1分20秒差、
エヴァンスとは56秒差、残りは20kmですから
計算上はマイヨ・ジョーヌを守れます。
マイヨ・ジョーヌマジックが発動したかも。
この後、3位ライプハイマーは1人前に出走したサストレをパス。
3分先にスタートした選手を追い抜くのですから
凄いペースで走っている事が分かります。
そして2位エヴァンスとのリアルタイムでのタイム差が
表示されましたが、15秒→11秒と着実に縮まっており、
2位・3位が逆転する可能性が出てきました。
そして運命のゴール地点。
3位ライプハイマーは1h 02m 45sでゴール、
平均時速53.1kmって化け物か……
暫定トップタイムを叩きだすなど、やれる事はやり遂げました。
後は残りの2人を待つのみです。
2位エヴァンスは1h 03m 35sでゴール。
総合成績でライプハイマーを8秒上回り、2位を死守しました。
ライプハイマーが凄すぎた為目立ちませんでしたが、
暫定2位という素晴らしい走りを見せました。
そして最後に残っていた1位コンタドールは1h 05m 02sでゴール。
タイム差は詰められたものの、2位エヴァンスとは23秒差、
3位ライプハイマーとは31秒差を残し、
24歳の若武者がツール・ド・フランスの頂点に立ちました。
タイム差も測ったようにギリギリで手に汗握る展開でした。
優勝したライプハイマーはおちろん凄かったですが、
ライプハイマーの猛追をかわしきったエヴァンス、
そして2人の追撃を抑えこみ優勝を勝ち取ったコンタドール、
上位3人の走りは、今ツールのクライマックスに相応しい
素晴らしい走りだったと思います。
これで総合優勝、新人賞をダブル受賞するコンタドール
山岳賞のソレルは、ゴールさえすれば良い状態に。
残るポイント賞は、現時点ではジャージを切るボーネンが有利。
最後のステージでこちらも勝負が決まります。
・étape 19 個人成績
1位 1h 02m 45s リーヴァイ・ライプハイマー(DSC)
2位 + 51s カデル・エヴァンス(PRL)
3位 + 1m 56s ウラディミール・カルペツ(GCE)
・étape 19 終了時総合成績
1位 87h 09m 18s アルベルト・コンタドール(DSC)
2位 + 23s カデル・エヴァンス(PRL)
3位 + 31s リーヴァイ・ライプハイマー(DSC)
全選手個人成績 & ステージ成績 etc.(from J Sportsサイト)
いよいよ長いツールの最終日がやってきてしまいます。
前半は起伏が多いですが、パレード走行がメインのステージなので、
勝負所はシャンゼリゼの周回コース。
スプリンター達が最後の大勝負を見せてくれるはず。
étape 20 Marcoussis - Paris Champs-Élysées【146 km】
コース図 コース断面図
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