étape 8 Le Grand-Bornand - Tignes【165 km】
コース図 コース断面図
昨日に引き続いての山岳ステージ。
終盤に1級山岳が3連発で山頂ゴールというハードなコース設定。
総合争いをする選手達も篩にかけられそうです。
そして翌日が休息日という事で、一発狙いの選手にも注目です。
実況は谷口広明さん、解説は今中大介さんと栗村修さん。
放送開始時点ではまだスタート前、
選手達は走行しながら談笑し、スタートの時を待っていました。
そして現地時間12時53分30秒にスタートが切られました。
スタート直後、1km行かないうちにジェグーがアタックを仕掛けました。
ここにシューマッハ、シーベルク、エフィムキンが合流、
さらにはオジェが合流して5人が集団を形成。
この時点では大集団はこの逃げを容認した為、
少しずつタイム差が広がっていきます。
しかしこの後、逃げ集団がペースを乱してスピードが落ち、
さらに集団からも抜け出しを狙う選手が続出してペースアップ。
なかなかレースが落ち着きません。
3級山岳Cote du Bouchet-Mont-Charvinの登りで、
ジェグー、シーベルクが脱落して集団に吸収。
さらにオジェも遅れ始めてしまいます。
Cote du Bouchet-Mont-Charvinの下りで最初に逃げ集団は消失。
代わりにヴォクレールが単騎で抜け出していきました。
この段階でヴォクレール ~ 追走集団(約30人) ~ 大集団となっています。
2級山岳Col de Tamieの登りの途中で、
追走集団がヴォクレールを吸収し、逃げ集団となります。
ここで逃げ集団と大集団のタイム差が広がり始めました。
逃げ集団には19人が属していましたが、
有力選手が勢揃いする豪華な布陣となっています。
2級山岳Col de Tamieの頂上で、
逃げ1集団とと大集団との差は1分40秒の差。
逃げているメンバーが強力なだけに、
大集団としてはあまりタイム差を広げられたくない状況です。
1級山岳Cormet de Roselendを控えての下り・平地区間で
5人の追走集団が形成されたものの、
この5人は本格的な登りが始まるまでに集団に吸収されました。
1級山岳Cormet de Roselendの登りはさすがに厳しく、
[標高1967m 標高差1207m 登坂距離19.9km 平均勾配6%]
逃げ集団、大集団ともに少しずつ集団が小さくなっていきます。
逃げ集団からはコールが抜け出し、ルメヴェルとコロムが追走。
大集団からはメルカドとチュルカが逃げ集団を追走、
さらに山岳賞本命のラスムッセンが、アローヨを引きつれ
逃げ集団の追走に入りました。
ラスムッセンは凄いペースで坂を駆け上がり、
逃げ集団を捉えたや否や、そのまま一気に抜き去ります。
ラスムッセンはロジャース、アローヨ、グベールを引きつれ、
コロム、ルメヴェルに続いて先頭のコールも吸収。
これで7人の逃げ集団が形成されました。
1級山岳Cormet de Roselendの頂上を前にルメヴェルが脱落。
そして頂上はラスムッセンがトップ通過し、
山岳ポイント15点をがっつりゲット。
追走の7人は逃げ集団から1分15秒遅れで通過。
そして総合上位を狙う選手が揃う大集団は、5分8秒遅れ。
ちょっと差が開きすぎですが、まだどこのチームも
ペースを上げる為に前に出てきていません。
ここから20km弱の間に1100m下っていきます。
逃げ集団ではアローヨとロジャースが落車。
アローヨはガードレールを飛び越えて落ちていきましたが、
すぐさま自転車に乗って再スタート、
ちょっと脚を使ってしまったのですが、
下りが終わる頃までに2人とも元の集団に合流しました。
後方の集団ではライプハイマーのリアディレイラーが壊れ、
さらにオグレディが落車というニュースが……
下りで様々なアクシデントが起きているようです。
逃げ集団は2つ目の1級山岳Cormet de Roselendの登りに突入。
[標高1639m 標高差721m 距離15.3km 平均勾配4.7%]
登りに入ってからラスムッセンがペースを上げると、
コール、グベール、ロジャースの3人が遅れ始めました。
ロジャースは右手でハンドルを持てていないようで、
苦悶の表情を浮かべながら走っていましたが
登りの途中で立ち止まってしまいました。
泣くのを隠すかのように俯いていたロジャース……
そのままリタイヤしてチームカーに乗り込んでいきました。
今年は優勝候補の選手にトラブルが続発するなぁ。
高いレベルでの争いが見たいので、
こういうトラブルで選手が居なくなるのは悲しいです。
その頃、逃げていた3人が1級山岳Cormet de Roselendの頂上を通過。
ラスムッセンの引きでタイム差が開きまくり、
追走集団との差は4分50秒差、
そしてアスタナが引き始めた大集団との差は6分14秒、
逃げ集団の逃げ切り勝ちが濃厚になってきました。
そして最後の1級山岳Montee de Tignesに突入。
[標高2068m 標高差971m 距離18.0km 平均勾配5.4%]
後方の集団でアスタナが引き始めたのを知ってか、
残り18km手前でラスムッセンがペースを上げ、
一気にアローヨ、コロムを置き去りにしていきました。
ずっと2人を引き続けて体力を使わされたはずのラスムッセンが
後ろについていた2人を置き去りにする……
さすがクライマーのスペシャリスト、登坂能力が段違いです。
後方の集団からもモロー、マヨなどがアタックを仕掛け
これをキッカケに6人が追走集団を形成します。
この追走集団にヴィノクロフ、クレーデン、ゲルデマンは
入る事が出来ませんでした。
追走集団はモロー、マヨなどがアタックを仕掛けましたが、
他の選手達に潰されなかなかペースが上がりません。
置いていかれた主要選手の集団は、
イーブンペースで登り続けているようです。
残り10kmの時点でのタイム差は、
ラスムッセン(先頭から3分強差)アローヨ、コロム
(先頭から4分18秒差)第1追走[モロー、マヨなど]
(先頭から5分28秒差)第2追走[ヴィノクロフ、ゲルデマン]
ラスムッセンのペースは落ちる気配がありません。
第2追走では、残り7km付近でゲルレマンが脱落。
さらに残り5kmを切った所でヴィノクロフが遅れ始めます。
ヴィノクロフが遅れ始める前には、パンクで前から落ちてきた
コンタドールが遅れを取り戻すように一気に前進。
ヴィノクロフが本調子であれば、
このコンタドールのような走りが出来たはずなのですが……
クレーデンがヴィノクロフを引き上げ、
何とか傷口を最小限にとどめようとします。
第1追走からはマヨが仕掛けて抜け出しました。
ここまで毎年のように期待を裏切り続けていたマヨが
久しぶりにその潜在能力を発揮した走りを見せています。
先頭のラスムッセンは最後まで大きくペースを落とさず、
80km以上のほとんどをほぼ1人の力で逃げ切りました。
平均時速は34.18km/h……集団の力を使わずこの速さ、凄すぎです。
2位のマヨは2分47秒遅れ、
追走集団にいたバルベルデ、モローなどは3分12~13秒遅れ、
ヴィノクロフ、クレーデンは4分29秒遅れ、
ゲルデマンは5分05秒遅れでマイヨ・ジョーヌを失ってしまいました。
しかし……見所満載の凄い展開のステージでした。
ステージ優勝を飾ったラスムッセンが嬉しい初マイヨ・ジョーヌ。
ラスムッセンはさらに山岳賞・敢闘賞もゲットしました。
ポイント賞のボーネン、新人賞のゲルデマンは変わらず。
チーム総合ではラボバンクがトップに躍り出ました。
・étape 8 個人成績
1位 4h 49m 40s ミカエル・ラスムッセン(LAB)
2位 + 2m 47s イバン・マヨ(SDV)
3位 + 3m 12s アレハンドロ・バルベルデ(GCE)
・étape 8 終了時総合成績
1位 39h 37m 42s ミカエル・ラスムッセン(LAB)
2位 + 43s リーナス・ゲルデマン(TMO)
3位 + 2m 39s イバン・マヨ(SDV)
全選手個人成績 & ステージ成績 etc.(from J Sportsサイト)
休息日明けは、アルプスの山岳ステージの最終日。
今年初めて登場の超級山岳が2つ、その間に1級も1つあります。
最後は下りゴールですが、最後の山を遅れず耐え抜いた選手にのみ
ステージ優勝のチャンスが与えられる事となります。
étape 9 Val-d’Isère - Briançon【159.5 km】
コース図 コース断面図
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