このエントリは28号(236th)・29号(237th)についての
考察記事であり、ネタバレに繋がる話となっています。
タイトルの通りの内容ですので、読む際にはご注意ください。
それでは本文は「▼」内に。
TDのあとのトライ・フォー・ポイントについて……
NFLばかり見ている僕の記憶から抜け落ちていた
『あるルール』がありまして、それを考慮したら
28・29号のTFPについても納得できる理由が見つかりました。
トライ・フォー・ポイント(以下 TFP)は、
アイシールドの作中でも解説されていたので
知っている方がほとんどだと思われますが、改めて説明してみます。
TFPは、残り3ヤード(NFLでは2ヤード)地点から
1プレイだけするプレイの事で、
キックが成功すると1点、TDが成功すると2点が加算されます。
失敗すると……0点という認識がされていると思われますが、
レアケースとして2点失うという場合があります。
それはTFPを守る側がボールを奪い、エンドゾーンまで運んだ場合です。
NFLではTFPを守る側が得点を取れないようなルールになっていますが、
NFL以外では上のルールが適用されているので、
TFP時でも守備側に得点の可能性がある事となります。
(ちなみにNFLのTFPでも、インターセプトした選手が
ボールを持って走ろうとするシーンが見られますが、
これは大学までの習性が残っているという面もあるでしょう。
ちなみにこの様な状況になった場合には、
審判がすぐに笛を吹いてプレイを止めさせます。)
NFL以外をほとんど見ていない自分にとって、
TFPでの2失点の事は29号の話を見るまで全く思い出せずにいました。
なぜ29号の話を見て気付いたのか、その経過を記します。
今週の王城のTFPについて、TDの時点で40-36の4点差です。
ここでTFPで2点を狙うのは問題外、もしリターンTDを奪われれば
2点差となりFGでも逆転となってしまいます。
(注・TFP中は時計は進まないので残り1秒のままです)
それでも残り1秒だからFGはありえない……と思われるかもしれませんが、
守備側が反則した場合には、残り時間が0となっても
1プレイできるというルールがある為、
反則によって泥門がFGを蹴られる位置まで前に進み、
FGで逆転勝ちという可能性が出てきます。
実際には作品的にはありえないでしょう。
しかし、このような方法で逆転の可能性があるのですから
「100%ありえない」という表現は使えません。
実際、NFLの試合でも同じように守備側の反則を狙って
逆転に賭けるプレイが行われた事を何度か見たことがあります。
(直近ではSTLが実行、何年の第何週までは覚えていません)
アイシールドでは反則描写が無いですし、
最後の決着がセナ君ではないというのはおかしいかもしません。
しかしそれは読者視点から見ての「おかしい」なのであり、
実際の試合で有りえない訳ではないのですから、
「100%ありえない」という表現は使えないと言えます。
キックについても同じで、もしキックをブロックされた上に
そのボールを拾われエンドゾーンまで運ばれれば同じく2点差となります。
王城は最初のTFPでプレッシャーを受けてキックを外していますから、
キックブロックからの2失点も十分にありえます。
という事で万が一の事を考えればキックをする事すら危ういです。
では、王城がする最良の選択は……ニーダウンしかありません。
追加点は奪えませんが、これが一番安全にFGでは追いつかれない
4点差以上を維持できる手段となります。
ですから、36-40のままの方が自然なのかもと思います。
それでは先週の泥門の話に戻ります。
28号(236th down)で、泥門がTDを奪い34-35としましたが
ここで泥門は2ポイントを行いませんでした。
先週の感想追記話では、2ポイントをしなかった理由について
モメンタム(流れ)の事について書きました。
しかし、2失点による再逆転を恐れたとも考えれば、
キックを選択する事の理が増してきます。
TFPは残り3ヤード地点からの1プレイですから、
直前にTDを取ったプレイと似たような状況からプレイが始まります。
という事は、王城ディフェンスが密集している所で
2ポイントを行う事になり、インターセプトやファンブルから
そのままリターンTDに繋げられてしまう可能性も考えられます。
せっかく逆転したのに直後のTFPで再逆転を食らうのは愚の骨頂。
そしてTFP時に2失点をしたとしても、
次にキックオフするのはTDを奪った泥門側です。
王城のキックオフなら攻撃権が泥門ですが……
という事は泥門はオンサイドキックをしなければならなくなり、
さらに崖っぷちな状況に追いやられる事となります。
NFLでは2点を狙わないとおかしいシチュエーションですが、
NFL以外では1点差でのTFPで2ポイントを狙うのには
リスクがある事となります。
以上の事から、キックで確実に1点という選択にも
きちんとした理が有ると言えるでしょう。
と、29号の話を読んで思った事を書き連ねてみました。
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