15°Tappa TRENTO - TRE CIME DI LAVAREDO/Auronzo (184km)
コース図(from J SPORTSサイト)
休息日前に待ち受けている最大の難関ステージ。
1級・1級・2級と山を越えた後に、最大勾配18%の急坂がある
超級のトレ・チーメ・ディ・ラヴァレードの頂上ゴール。
今大会でも最も厳しいコース。
放送開始時点では、130km付近の1級山岳ジァウ峠の登坂途中、
逃げ集団と追走集団とは3分15秒の差がついていました。
逃げ集団からは徐々に脱落者が出ており、
現地からの映像が届いてから5分後には、
20人近く居た集団が7人まで絞られました。
ピエポリ、リッコというサウニエルデュバルの2人が
後方の集団から抜け出して逃げ集団に追いつき、
シモーニを間接的にアシストする作戦。
逃げの7人の中にはこの2人のほかに、
クアピオ、バリアーニ、パッラ、ペニャ、ラスムッセンと
登りに強いメンバーが勢揃い。
なかなか強力な逃げ集団が形成されました。
後方の集団でもサヴォルデッリの引きで
ブルセギン、ヴィラの総合上位につけている2人、
そして前日にステージ優勝したガルゼッリも遅れ始めます。
さらに激しい展開が続き、逃げ集団もさらに分裂し、
ピエポリ、リッコ、クアピオ、パッラの4人だけに。
クアピオは悪魔おじさんからトライデントを借り受け、
前の2人を刺すような仕草を……余裕あるなぁ。
というか、レース中にこんな事する選手初めて見ました。
後方の集団では、今度はディルーカがペースを上げて
他の選手をふるい落としにかかります。
しかしシモーニ、クネゴ、マッツォレーニ、シュレクの
総合優勝を狙う選手達は懸命に食らいついて行きます。
ディルーカの捨て身気味なアタック、
そしてそれに対応する他の選手達……
レベルの高い攻防が繰り広げられています。
ジャウ峠の山岳ポイントはピエポリ、リッコ、クアピオの順に通過、
これでピエポリが山岳賞争いでトップに立ちました。
ディルーカの集団は2分25秒ほど遅れて頂上を通過しました。
下りでは、頂上で3分18秒遅れのサヴォルデッリが
得意の下り坂で一気にディルーカ属する集団に追いつきます。
前から遅れてきたアローヨなどもこの集団に合流、
サヴォルデッリが集団を引き続けていました。
しかし、ここでシモーニが中切れ、
その間にサヴォルデッリはマッツォレーニのみを引き連れて、
一気に集団から抜け出しました。
アスタナのエースだったサヴォルデッリは、
総合で8分54秒遅れと総合優勝が厳しくなっていた為、
より上位につけているマッツォレーニの
アシスト役となる選択をしたようです。
続いては2級山岳トレ・クローチ峠、
逃げ集団では下りで離されていたパッラ、クアピオが
ピエポリ、リッコに追いつき再び集団は4人に。
マッツォレーニは、サヴォルデッリに引かれて
ディルーカの集団とのタイム差を一気に広げました。
サヴォルデッリはここで任務完了という感じで遅れていきましたが、
マッツォレーニの為に最高の仕事を成し遂げてくれました。
残り20kmを切った辺りで、
逃げ集団とマッツォレーニの間は1分10秒差、
さらにその2分25秒遅れてディルーカの集団、
ディルーカは集団で周りの選手の協力を得られず、
かなり厳しい状況に追い込まれている感があります。
この後は逃げ4人とマッツォレーニのタイム差はほぼ変わらず、
しかしディルーカの集団とのタイム差が開いて残り10kmを迎えると、
最後の山岳トレ・チーメ・ディ・ラヴァレードに突入して行きました。
トレ・チーメ・ディ・ラヴァレードは、
登坂距離7.19km、標高差547m、平均斜度7.6%、最大斜度18%という
今年のレース内でも最高クラスの難易度となる山岳。
170km、4時間以上走ってきた選手達の真価が問われる登坂です。
逃げの4人からは、リッコ、パッラなどがアタックを仕掛けるものの、
抜け出すまでは至らずしばらく経つと再び4人の集団に戻りました。
ディルーカのいる集団も選手が削られたものの、残ったメンバーは
シモーニ、シュレク、クネゴと全て総合上位を争うメンバー。
他の選手がほとんど引いてくれないため、
ディルーカは独力で集団を引いて行きます
そのまま登っていき残りは2km、
ここでディルーカが仕掛けてきました。
ずっと引かされ続けていたディルーカですが、
シモーニ、シュレクの追撃を振り切り
他の3人を置き去りにしてしまいました。
この走りは凄い、強さを見せ付ける走りで、震えましたよ。
逃げの4人は逃げ切りが濃厚となったからか、
駆け引きが始まりました。
パッラのアタックによってクアピオが千切れ、
勝負は3人に絞られました。
残り400mでピエポリがペースを上げると、
パッラのみが遅れてしまいました。
これでリッコ、ピエポリのサウニエルデュバル勢の
1・2フィニッシュが濃厚に。
最後はピエポリがリッコにステージ優勝を譲り、
2人でガッツポーズをしながらゴールラインを通過しました。
そしてゴール後に握手をかわす2人……
チームワークの素晴らしさを感じさせるシーンでした。
注目の後方の選手にかんしては……
マッツォレーニは1分29秒遅れでゴールし、
一気に総合2位にジャンプアップしました。
これでアスタナも総合争いに望みを繋いだ感じ。
ディルーカは2分53秒遅れでゴール、
マッツォレーニに迫られたものの、2位とのタイム差、
そしてシュレク、シモーニ、クネゴなどのライバル達との
タイム差を広げる事に成功しました。
新人賞争いはシュレクとリッコの一騎打ちに。
タイム差は43秒と、この部門の争いも面白くなってきました。
・15°Tappa 個人成績
1位 5時間47分22秒 リカルド・リッコ(SDV)
2位 same time レオナルド・ピエポリ(SDV)
3位 +10秒 イバンラミロ・パッラ(COF)
15°Tappa 全選手記録
・総合成績
1位 68時間00分55秒 ダニロ・ディルーカ(LIQ)
2位 +1分51秒 エディ・マッツォレーニ(AST)
3位 +2分56秒 アンディ・シュレク(CSC)
15°Tappa 終了時点総合記録