étape 9 Val-d’Isère - Briançon【159.5 km】
コース図 コース断面図
超級、1級と越えた後に、アルプス名物超級ガリビエ峠を越える
アルプス最後の山岳ステージ。
しかし最後が下りゴールなので、
山さえ上手くこなせればタイム差はつきにくそうです。
実況は白戸太朗さん、解説は栗村修さん、阿部良之さん。
今日も放送開始時点ではスタート前、緩やかなペースで走行し、
審判車からのスタートの合図を待っていました。
現地時間12時36分過ぎにフラッグが振られレースがスタート。
スタート地点も超級山岳Col de l'Iseranの登りとなっていた為、
いきなり厳しい坂が選手達に襲い掛かります。
[標高2770m 標高差905m 距離15.0km 平均勾配6.0%]
3km地点手前でアリエッタがこのステージ最初のアタックを敢行、
集団はこの動きを容認した為、抜け出す事に成功しました。
さらにポポヴィッチが集団から抜け出し、
アリエッタを一気に抜き去りました。
集団では、山岳ポイント2位のシャヴァネルがアタックを仕掛けましたが、
このアタックはすぐさま潰されてしまいました。
さらにルフェーヴルがアタックを仕掛けるなど集団が活性化。
後方ではスプリンター達が遅れ始めました。
前のステージでマキュワン、ナポリターノが
タイムオーバーで失格となっているだけに、
ポイント賞を狙うスプリンターにとっては
今日も試練のステージと言えます。
最初にアタックしたアリエッタは敢え無く集団に吸収。
代わってソレルが集団から抜け出すと
後から抜け出したルフェーヴルがソレルに追いつき、
2人で追走集団を形成しました。
さらに頂上の前ではシャルトーも追走集団に合流。
超級山岳Col de l'Iseranの頂上は、ポポヴィッチが先頭で通過。
追走の3人ルフェーヴル、ソレル、シャルトーは27秒遅れ、
大集団もそれほど大きな差はなく通過し、
長い下り坂に突入していきました。
先頭で下り始めたポポヴィッチは快調に下っていきましたが、
5人の追走集団がポポヴィッチに追いつき、6人で逃げ集団を形成。
ここで大集団もペースを落とし、レースがようやく落ち着きました。
ようやく落ち着いたレースでしたが、
集団内ではブルグハートが犬と衝突して落車。
スピードが落ちていたので大事には至らなかったようで一安心。
続いての1級山岳Col du Télégrapheの登り口まで、
大きな動きが無いままレースは進んでいきました。
1級山岳Col du Télégrapheに突入。
[標高1566m 標高差826m 距離12.0km 平均勾配6.7%]
前の集団では仕掛け合いの後、カウンターアタックを決めた
アスタルロサが抜け出します。
ポポヴィッチ、グセフ、グティエレスが追走、
クレメントは一時遅れたものの何とか追走に合流、
しかしヴォグルナールは遅れ始めてしまいます。
大集団ではスプリンター系の選手を中心にグルペットが結成。
人数が多いのでタイムオーバーにならないようにゴールは出来そうです。
さらにいくつもの集団に分裂しましたが、
有力選手のほとんどはきっちり前の集団に属していました。
残り63km地点で、大集団からソレルがアタックを仕掛けると
勢いのある走りで一気に集団との差を広げていきます。
さらにルメヴェルも抜け出すなど、
集団の中からステージ優勝を狙う選手が仕掛け始めました。
一方で優勝候補のヴィノクロフは、
メディカルカーに下がりなにやら話しています……
ヴィノクロフの状態は結構悪いのかも。
1級山岳Col du Télégrapheの頂上は
単騎逃げをしていたアスタルロサがトップで通過。
追走の4人は20秒強の遅れで追走、
大集団は3分13秒遅れで通過していきました。
集団の人数は50人ほど、有力選手も残っています。
大集団が頂上Col du Télégrapheの頂上を通過したすぐ後に、
先頭のアスタルロサが超級山岳Col du Galibierに突入。
[標高2645m 標高差1235m 距離17.5km 平均勾配6.9%]
データが示す通り厳しい登り坂……しかし頂上から後の下りが長いので、
なるべく遅れずに通過すれば遅れを取り戻せるチャンスもあります。
ここで審判者に乗っているサルコジ大統領が映し出されました。
一国のトップが見に来るのですから、
ツール・ド・フランスの伝統と格式が窺い知れます。
残り53.5km手前で、逃げていたアスタルロサに追走の4人が合流。
この後アタックが仕掛けられましたが、
結局5人は一団となって逃げを進めていきます。
大集団からはメルカドが抜け出すなど、
まだまだ一発を狙う選手達のアタックが続いています。
残り63kmでアタックを仕掛けたソレルが、
15kmかけて逃げ5人に追いつくと、
そのまま一気に抜き去ってしまいました。
このソレルの動きにポポヴィッチはついていけましたが、
まずはグセフ、クレメントが置いていかれ、
さらにグティエレス、アスタルロサの2人も次々と脱落、
最後に残っていたポポヴィッチも結局3kmほどしかついていけず……
これでソレルの単騎逃げとなりました。
一方大集団では、バルベルデがアタックを仕掛け、
有力選手の多くがこのアタックに反応したものの
ヴィノクロフ、ゲルデマンなどはついていけず、
これで一気に集団が絞られていきました。
バルベルデの引く集団からコンタドールがアタック、
2日前にも素晴らしい走りを見せたコンタドールが
この日も登りでの爆発力を見せ付けます。
このアタックについてこられたのはエヴァンスのみ。
2人はバルベルデ集団との差を広げていきました。
先頭で独走していたソレルは、
超級山岳Col du Galibierの頂上をトップで通過。
これで一気に山岳ポイントを40ポイント加え、
山岳賞争いでも一気に2位に浮上。
あとは残りの37.5kmの下りを逃げ切り
ステージ優勝もゲットしたい所です。
2番手には、マイペースで登ってきたポポヴィッチと、
エヴァンスを引き離したコンタドールの
ディスカバリーチャンネルコンビが2分強の遅れで通過。
2人で共闘してソレルを追いかけていきます。
バルベルデの引く集団は3分10秒遅れ、
ヴィノクロフは5分弱の差で通過、かなり厳しい。
今年はレースが面白すぎて、なかなか風景が目に入らなかったのですが、
ガリビエ峠の山頂の画が美しすぎ……
切り立った崖に敷かれた山道にはガードレールがないので、
山の美しさがそのまま堪能できるのですよ。
1人で下っていたソレルですが、斜度がきついパートでは
アグレッシブな走りでタイム差を縮小を最小限に抑え、
残り15kmの時点でも、追走まで1分20秒ほどの差を残して
斜度が緩やかになる区間に突入。
ここからは人数がいる集団の方が有利なので、
ソレルにとってはステージ優勝に向けて最後の関門となります。
バルベルデ、ラスムッセンなど主要選手が属していた集団では
エヴァンス、クレーデンの先頭交代拒否で集団が分裂。
先を急ぎたい5人が抜け出し、残りの7人は置いていかれました。
バルベルデ、ラスムッセンの属する5人の集団は
残り6kmで2番手に居たポポヴィッチ、コンタドールをようやく吸収。
しかしこの時点で先攻するソレルとの差は約1分、
追いつくのはかなり厳しいと言わざるを得ません。
さらには牽制が始まり、置いていった7人も合流させてしまいました。
ソレルは最後に待ち受けていた登りもそのままの勢いでこなし、
ついにゴールまで単騎で逃げ切りました。
コンチネンタルプロチームのバルロワールドに
ステージ優勝をもたらしたソレル……
爆発的なアタックと言い、最後の逃げといい、
この日一番の走りを見せてくれた選手でした。
2位はスプリントで抜け出したバルベルデ、
続いてエヴァンスが入りました。
コンタドール、マヨ、ラスムッセン、ライプハイマー、
キルシェン、クレーデン、サストレ、モローと
有力選手間ではそれほどタイム差がつきませんでした。
しかしヴィノクロフは3分24秒遅れでゴール、
ゴール後に涙が見えたのですが、
これは夢が潰えたと自覚しての涙だったのでしょうか。
ラスムッセンは、総合トップのマイヨ・ジョーヌと
山岳賞をしっかり確保。
ポイント賞はボーネンで変わらず、
新人賞は2日連続で素晴らしい走りを見せたコンタドールが、
2位に3分半以上のタイム差をつけて一気にトップに躍り出ました。
・étape 9 個人成績
1位 4h 14m 24s マウリシオ・ソレル(BAR)
2位 + 38s アレハンドロ・バルベルデ(GCE)
3位 + 38s カデル・エヴァンス(PRL)
・étape 9 終了時総合成績
1位 43h 52m 48s ミカエル・ラスムッセン(LAB)
2位 + 2m 35s アレハンドロ・バルベルデ(GCE)
3位 + 2m 39s イバン・マヨ(SDV)
全選手個人成績 & ステージ成績 etc.(from J Sportsサイト)
久しぶりの平坦ステージ、とは言ってもゴール10km前に
3級山岳が待ち受けている為、スプリンターにとっては少し厳しいコース。
一発狙いの選手が逃げ切る可能性もありそう。
総合狙いの選手は一休みですね。
étape 10 Tallard - Marseille【229.5 km】
コース図 コース断面図